30年前に入社したシステムエンジニアに、新人時代の思い出を聞くと、「いきなり現場に放り込まれて先輩の仕事を見ながら必死で覚える」などという答えが返ってきたりしますが、今は丁寧な研修を実施するのが当たり前の時代です。
採用説明会で配られるパンフレットに、「研修が充実しています!」と、自社の魅力のひとつとして掲載している企業も少なくありません。
さて、ソルクシーズは、新入社員に対してどんな研修を用意しているのでしょうか。
「最初の3ヵ月で、ビジネスマナーや基本的なPCスキルに加えて、IT技術を身に付けるためのカリキュラムを組んでいます」と語るのは担当のMさん。
4月にビジネスマナーとExcel、WordなどMicrosoft Officeのスキルを習得し、5月からの2ヵ月でJavaを用いたプログラミングの技術をマスターする流れです。
「配属先でスムーズにOJTができるレベルに到達するよう、ベーシックなスキルを幅広く学んでもらいます。情報工学系の学部出身の即戦力から、文系のエンジニア候補までさまざまな新人がいるので、プロフィールを見ながらレベルをチューニングしています」
技術研修を終えた後、現場に入る直前に電話応対を学び、3ヵ月のプログラムは修了となります。
カリキュラムの見直しは、研修をひととおり実施した後、受講者の反応や結果を振り返ってから行っているとのこと。
「文系出身の初心者には難しかった」「メニューを詰め込み過ぎて疲れている新人がいた」などの事例を揃え、1日のスケジュールを細かく調整することもあるそうです。
「技術研修をやっている間も、個々の状況を日報や週報で把握して研修担当が共有し、個別にケアするようにしています。マナー研修をどこまで厳しくするかなど、実施内容のレベル設定で悩むこともあるんです」
新人研修の改善を行いつつ、現場で活躍しているエンジニアや管理職向けの研修の充実化を図っていると語るMさん。エンジニアを対象とした研修については、携わっているプロジェクトによって必要なスキルが異なるため、外部の教育機関を活用してメニューを増やしています。
「企業割引で社員だと安く受講できるプログラムもあり、事業部から特定のメンバーに受講させたいという要望が挙がってくることもあります」
今後、充実させたいのは階層別研修。管理職やリーダーのスキルとモチベーションを高めるプログラムを検討しているそうです。
新人教育が充実しているソルクシーズ本体に対して、グループ企業はどんなメニューを実施しているのでしょうか。後編で、各社の取り組みを紹介します。