技術追求か、マネジメントか。システムエンジニアのキャリアステップが語られる際に、よく比較される将来像ですが、IT企業の管理職の方々は、実際にどんな仕事をしているのでしょうか。
「定型⇔非定型」「チーム⇔個人」という2つの軸で業務を整理し、4象限のなかでどの領域が多いのかを割り出す「お仕事セルフチェック」。ベテランSE編、企画担当編に続く最終回は、ソルクシーズの管理職の方々に、日頃の仕事を振り返ってもらいました。
システム開発のパートナー企業を束ね、部下とともにマネジメントしているTさんは、自部署を円滑に動かすべく、多くの時間をミーティングに割かれています。
定期的なレポートや資料作成などの業務も2割ほどはありますが、やはり重要なのは組織のプランニングとマンマネジメント。リーダークラスは、パートナー企業に対する作業指示など現場を動かすタスクが中心ですが、管理職ともなると、いかに自ら仕事を創り出せるかが求められるようになります。
Tさん=メンバーとパートナー企業を動かすミーティングが5割
「人と&定型」 10%→メール、電話など
「人と&非定型」 50%→会議、メンバーや外部パートナーとの面談など
「ひとり&定型」 20%→報告資料作成など
「ひとり&非定型」20%→マネージャーとしての各種計画立案
最後のセルフチェックは、取締役・執行役員クラス。Sierの経営層がどんな仕事をしているのかをのぞいてみましょう。
取引先の経営陣、同業他社、関連会社の役員、マスコミなど、多岐にわたる関係者と会合を重ねるのが仕事の半分を占めており、配下の部長のマネジメントも業績向上のための重要な業務です。
Hさん=社内外との調整、交渉、組織マネジメントが大半
「人と&定型」 20%→組織間調整など
「人と&非定型」 50%→役員会議、顧客や同業他社の社長・役員との会合など
「ひとり&定型」 10%→資料作成など
「ひとり&非定型」20%→管掌部署の中長期計画など
常駐先や開発現場で活躍するシステムエンジニアと、組織を預かる立場の仕事は明確に変わります。
管理職の「人と」はチームプレーではなく、部下や他社のキーマンを動かす仕事。自社の事業を取り巻く環境を把握し、明確な意志決定をするには、「未来予測力」「一貫性」「胆力」が求められます。
ベテランになっても技術で勝負するハイエンドのエンジニアをめざすか、マネージャーや役員として広範囲に影響力を及ぼす仕事をするか、あるいは営業や企画などのプラスアルファスキルを活かせる立ち位置を選ぶか。
4つの象限に、得意な仕事と苦手な仕事、現在の仕事と将来やりたい仕事などを書き込んでいけば、めざす未来や磨くべきスキルがより明確になるのではないでしょうか。