システムエンジニアの働き方は、コロナ禍を機に大きく変わりました。テレワークの普及、フリーランスとして働く人の増加、そして新しいツールの導入が、働く場所や方法の制約を取り払いました。
テレワークが当たり前の状態だったあの頃に、生成AIが急速に進化していたら、会議ツールや業務管理ツールはさらなる進化を遂げていたかもしれません。しかし、コロナ渦が落ち着いた今、大手企業の多くがテレワークを廃止・縮小する方向に舵を切っており、自社での作業や客先常駐に戻ったシステムエンジニアも増えています。
コロナ禍以前、テレワークはセキュリティが問題とされており、一部の企業でしか導入されていませんでした。ところがコロナウイルスの感染拡大防止が重要なテーマとなると、多くの企業が半ば強制的にテレワークへと移行しました。

PC内で完結するタスクが多いWebディレクター、デザイナー、Webエンジニアや、開発系のシステムエンジニアはいち早くテレワークにシフト。相手が出社していないと動けない営業職も、ウェビナーやメール、サイト、チャットを活用したコミュニケーションが主流となりました。
これにより、通勤時間の削減や、自分の生活スタイルに合わせた働き方が可能になり、エンジニアのワークライフバランスは激変したといえます。働く場所の制約がなくなったことで、新たなワークスタイルも広がりました。地方への移住やワーケーションなど、これまでとは異なるライフスタイルのなかに仕事を位置づけるエンジニアが増えました。
コロナ禍をきっかけに、独立・開業やフリーランスが増え、業務委託に切り替えるエンジニアが増加。システム開発人材を求める地方の企業と、リモートで働くエンジニアのマッチングサイトも登場しました。働く時間や場所に縛られることなく、複数のプロジェクトに参画する働き方が一般的になるという声もありました。
しかしコロナ禍が落ち着くと、「出社回帰」の動きが出てきました。国土交通省が2024年3月に発表した「令和5年度テレワーク人口実態調査」(※1)によると、テレワークは減少傾向にあり、週2日以下が増加しているとのこと。テレワークで働いた経験がある人は、「通勤時間の短縮」「自分の時間を確保できる」といったメリットを挙げる一方で、デメリットについては「運動不足」「コミュニケーションがとりづらく、業務効率が低下」「オン・オフの切り替えが難しい」といっています。
この調査は、企業とエンジニア双方が、テレワーク・リモートワークの利便性と課題を認識した上で、より柔軟な働き方を模索している現状を反映しているといえるでしょう。テレワークは、これまで当たり前だった対面でのやりとりの機会を減少させました。
職場のコミュニケーションには、ちょっとした雑談から生まれるアイデアや、非言語的な情報から得られるチームメンバーの状況把握など、オンラインでは代替しにくい部分も存在します。オンライン上のコミュニケーションは認識の齟齬が起こりやすく、プロジェクトの進捗管理やメンバーのマネジメントには、対面以上に細やかな配慮が求められるようになっていました。
このため、大企業を中心に対面のコミュニケーションの重要性が再認識され、「出社回帰」の動きが出てきています。ただし多くの企業は、コロナ禍以前のフル出勤に戻るのではなく、リモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークも増えています。これは、コロナ禍で得られた「柔軟な働き方」の価値を企業もエンジニアも認識した結果といえるでしょう。
多くの変化があった一方で、変わらないものもあります。それは、エンジニアが求められる本質的なスキルです。どんなに優れたツールや働き方が登場しても、システム開発の根本にある論理的思考力や問題解決能力、そしてチームでひとつのものを作り上げるための協調性は、変わらず重要です。
結論として、コロナ禍はエンジニアの働き方に多大な影響を与え、リモートワークやフリーランスという働き方の選択肢を広げ、デジタルツールの活用を加速させました。しかし、それはあくまで手段であり、本質的なスキルやチームプレーの重要性は変わっていません。今後もエンジニアは、多様な働き方の中から自分に合ったスタイルを選択し、テクノロジーの力を最大限に活用しながら、キャリアを築いていくことになるでしょう。
コロナ禍によって緊急事態宣言が発令されたとき、すぐにテレワークを導入したソルクシーズグループは、IT業界の動向や社員の働き方を見据えながら、エンジニアのキャリアアップとワークライフバランスを支える仕組みづくりを推進してきました。
「副業解禁」「eラーニングシステムの充実化」「社内で活用する生成AIシステムの開発」などによって、知識・技術のレベルアップ、業務効率化、より柔軟な働き方を実現できるようになっています。
以前から「人間力が高いエンジニアを採用・育成する」という方針を掲げていたソルクシーズは、多様なキャリアプランと自分らしい働き方を両立できる環境です。興味がある方は、新卒サイトやキャリア採用サイトをご覧ください。
出典:
※1:国土交通省「令和5年度テレワーク人口実態調査」https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001733057.pdf


