タイトルは「カシャカシャカシャカシャ・・・テレッテレッテレッテレッテッテッテ♪」というあのタイプライター音をつけて読むこと。
サイバー攻撃による仮想通貨「NEM」の大量盗難がニュースとなっている。理由は分からないが、多くのニュースタイトルでは盗難でなく流出と記載されているようだ。
本稿執筆時点(2018/2/4)では盗難に用いられた攻撃手段や侵入経路の情報は見つからなかった。当然ある程度は判明しているだろうし、個人的にはそれが一番知りたいのだが、まだ公開すべき時期ではないということだろう。楽しみに待つとする。
まず、今回の事件は、仮想通貨の仕組み自体の信頼性とは直接的に関係はない。色々な記事でも言及されているが、今回の事件は被害取引所の管理の甘さが問題である。
仮想通貨の根幹となるブロックチェーン技術の仕組みが複雑で分かりづらいが、安全確保の方法があるにも関わらず、おろそかにしていたために狙われたと言える。
事件に関する記事にはコールドウォレットやマルチシグというセキュリティに関するワードが並んでいるが、要するにこの取引所におけるNEMのセキュリティ対策の方法が甘かった。
銀行で例えると、警備が手薄でかつ24時間営業の銀行が、「今現在、行内の金庫に何百億入っています」という情報をオンラインで全世界に公開している・・・、といった状況であった。
それを知った不二子にルパンがそそのかされてお宝頂戴したからといって、仮想通貨の根幹であるブロックチェーン技術自体の信頼性を揺るがすものではない。取引所の安全対策基準とそれを守らせる法整備の課題だろう。
ブロックチェーンが新興技術であり、運用上のセキュリティ対策が後回しになっている可能性がある現状を考えると、仮想通貨取引所はサイバー攻撃犯にとって美味しいターゲットである。
数年前はクラウドが新興技術扱いで、「クラウド環境は危険?」などという懸念をもつ人も少なくなかったが、今では生活や企業活動に欠かせない当たり前のツールとなっている。
その文脈で考えると仮想通貨も「自分には関係ない」と言ってはいられない存在になってきている。
今年はルパンのTVアニメ新シリーズの放送が開始される予定である。
冒頭のタイトルがついたストーリーの中で、ルパンと銭形が仮想通貨を巡って対峙する日は間違いなく近づいている・・・たぶん。