超高齢社会が進む日本において、独り暮らしの高齢者の暮らしのサポートは、家族だけが担うものではなく、社会全体で支えるべき課題となっています。
ソルクシーズが提供する高齢者見守り支援システム「いまイルモ」は、高機能センサーによって在室確認や部屋の温度・湿度などの状態が把握できる手軽さが好評をいただいています。当初は独り暮らしのご両親や親戚の安否を気遣う方々の利用が多かったのですが、年を経るごとに病院や高齢者住宅、有料老人ホームなどの施設でも広く活用されるようになりました。
さらに近年は、「いまイルモ」は地域社会に寄り添い、自治体や企業と連携しながら高齢者を見守る新たな支援のあり方を広げています。今回は、愛知県一宮市での見守り支援事業や株式会社四電工との販売代理店契約という2つの事例を通じて、新たな「いまイルモ」の役割をレポートします。
「いまイルモ」の強みは、温度・湿度・照度・人の動きなどを検知するセンサーの信頼性と、導入しやすさ、使い勝手のよさです。カメラのように監視されている感覚がないため、見守られる側のプライバシーや生活のスタイルを守ることができ、モバイルの画面を見るだけで室内の状況や変化を確認できます。
病院や介護施設での利用が増えるとともに、センサーを追加することで、外出や離床、ドアの開閉、トイレの利用、脈拍や呼吸の変化なども検知できるようになりました。サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームなどで、入居者全体の状況が把握できるように、関係者が適切な権限で利用できる管理機能もより使いやすくなっています。
現在、国が推進する「地域包括ケア」においても、「いまイルモ」の機能とサービスが評価されています。その理由について、サービスの立ち上げから「いまイルモ」に関わっているMさんは、こう語っています。
「地域包括ケアでは、自治体や訪問看護師・介護士、施設のスタッフなど多様な立場の専門家が連携しています。現状の高齢者見守り支援システムを見ると、さまざまな人が関われる仕組みを持っているツールが少ないんです」
「関係者全員が通知設定を変更できると混乱します。自分の家族以外のデータが見えてはいけません。そのあたりを細かく管理できるのが『いまイルモ』の強みで、管理の手間が少ないコンパクトな設計も評価されています」
自治体や病院、介護事業者や専門家など、地域の連携によって高齢者を見守るというニーズの高まりを受けて、「いまイルモ」は自治体の見守り支援事業にも登録されるようになりました。その代表的な事例が、愛知県一宮市の取り組みです。
「いまイルモ」は、一宮市の見守り機器助成事業の対象製品として登録され、利用者が負担する初期費用や月額利用料が助成されることになりました。今までは個人のお客様や民間の事業者の利用が大半だったのですが、北海道亀田郡七飯町の「独居老人等見守り支援事業」に続く自治体の公的事業での採用は、地域社会での活用を広げる貴重な足がかりとなるでしょう。
「いまイルモ」の地域社会への貢献は、自治体以外のパートナーシップでも広がりを見せています。2025年7月に、四国電力グループの電気設備工事会社である四電工との販売代理店契約を締結しました。四電工は、四国の自治体や企業に対してさまざまなソリューションを提供しており、協力企業や顧客のデジタル化推進支援や資源のリサイクル、地域の高齢者見守り支援などを手がけています。
「四電工が実施していた高知県高岡郡梼原町の高齢者見守り支援のご担当者から、問い合わせをいただきました。既存のシステムのコスト削減や業務負荷の軽減が実現できるシステムを探しているというお話でしたね。『いまイルモ』は、最小限の体制でも大きな組織でも対応できると説明しました。
自社の利益は考えておらず、町にとっていいシステムを選びたいというなかで、センサーでこんなにいろいろなことがわかるのかと高い評価をいただけたようです。こんなにいいシステムなら、他の地域にも広げたいという話なども出て、販売代理店契約を結ぶことになりました」(Mさん)
四電工のご担当者とさまざまな話をしたというMさんは、梼原町の事例によって地方自治体における見守り支援ニーズが見えてきたといいます。「地方の自治体や企業は住民との距離が近いからか、個々の柔軟な発想で問題を解決しようという意識が強いのではないかと思いました」。今後は他の地域でも、地元企業や自治体との連携によって、高齢者見守り支援の輪を広げていきたいそうです。
地域包括ケアが推進されるなかで、地方では特に、住民一人ひとりの暮らしに寄り添った見守りの仕組みが求められており、「いまイルモ」はその一助となろうとしています。【後編】では、地域の高齢者支援における「いまイルモ」導入のメリットと、今後の展望を紹介します。