【情シス野郎 チラシの裏】は、「情報処理安全確保支援士」資格を持つ情シス担当が、仕事を通して得た知識や技術を、技術面に詳しくない人でも読みやすいよう「チラシの裏」に書くかのごとく書き散らす!というシリーズです。
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ChatGPTが2022年11月に公開され2年と5ヶ月が経過した。
それを端緒として、AIを用いる多くのインターネットサービスやアプリケーションが誕生し、また多くの既存のサービスにもAIが組み込まれた。
当初は、聞いたことに分かりやすく答えてくれる便利なサービスだけど回答に保証はないし、どれだけ浸透するのかな、と思っていた。
だが、AIってなに?天才的なアイドル様?などと言っていた我が妻ですら、もはやネット検索の代わりにChatGPTに質問している。
自分で調べると複数のWebサイトを渡り歩いて、正しそうな情報に絞って整理しなければならないが、それを一瞬で膨大な情報を元に代行してくれるのだから、使わない手はない。
他にもECサイトや動画サイトなどの購買・視聴履歴に基づいたレコメンド機能、スマホで文章入力時の単語予測、ルンバなどお掃除ロボットの清掃効率化など、知らず知らずに生活に組み込まれている。
これらは全て、UX向上のために既存製品やサービスの機能アップグレードとして貢献しており、好ましいとされているAIの使い方である。
しかしあえて今回はおれが、「なるほど、まあ分かるけど・・・要る?」と思ってしまったAIを使ったサービスを紹介したい。
【競馬予想】
誰もが思いつきそうな使い方だし、ありそうだなと思って探したら、やはりたくさんサービスがあった。
過去の戦歴など膨大な情報に加え、馬場状態や体重増減、斤量、枠順など当該レースの情報を追加して精度向上させた予想結果をアウトプットする。
しかし某日某競馬場12レース中、某サービスの的中は1,2,3番人気で決着した1レースのみであった。
不労所得で遊んで暮らす夢の馬券生活は、やはりAIの力をもってしても難しいらしい。
というか、競馬好きな人は予想が楽しいのではないだろうか。
AIの予想すら参考情報として活用するのだろうか。競馬好きの人に聞いてみたいところである。
【婚活】
コロナ渦を経てスタンダードな出会いの場となりつつある婚活アプリにもAIが活用されている。
活用のされ方はアプリによって異なる。なりすましやサクラを排除して安全性を高めてくれるもの、過去の成功情報を元にお相手との成功確率を算出してくれるもの、相手へのメッセージ作成サポート、などアプリによって多種多様だ。
婚活アプリを使ったことがない昭和おじさんには残念ながらイメージしきれないが、ネットの出会いにおいて安全性確保は重要な課題の一つだろうし、AIが「上手くいきます!」と背中を押してくれれば自信を持って臨むことが出来る人もいるのだろう。
ただお相手から届いたメッセージがAIに作成されたものかもしれないと思うと、昭和おじさん的には残念な気がしてしまう。
【ECサイトや動画サイトのレコメンド】
前述の通り、「〇〇をチェックしたあなたにおすすめ」機能である。チェックした〇〇はその時買ったので要らなくなっており、類似商品をおすすめされても困る。
動画サイトの「〇〇を観たあなたにおすすめ」機能も同様である。おれは幅広いジャンルを結構観るため、カレーライスを食べたからと言ってカレーうどんをおすすめされても食傷気味に感じてしまう。
ここ数年のAIの技術的進歩は凄まじい。今後もAIは改良が重ねられ、多様な製品やサービスにAIが組み込まれるだろう。世論誘導や分極化などの問題も見られているが、AIはすでに利用者の意思や判断を左右する存在になりつつある。
出来ることなら、カレーライスの後にカレーうどんを食べさせられることなく、冷静にサラダを食べられる人間でいたいと思う。