これから紹介するのは、「会社のオフィス移転を成功させたい」という情熱に突き動かされ、自身も成長させた女性のプロジェクト推進ストーリーです。
主役の名前は…Sさんとしておきましょう。ソルクシーズに入社後、システムエンジニアとして顧客先に常駐し、開発や運用を手掛けて20年。2年前に社内情シス部署への異動を打診されたときは、「開発の現場にいたいから、それだったら会社を辞めます」と一度断った一本気な女性です。
以前から経理のシステムもやってみたいと思っていた彼女は、「社内システムの部署なら経理も担当できるかも」という言葉に心を動かされ、初めての仕事にチャレンジすることにしました。
基幹システムのリニューアルや社内の情報化推進に携わりながら、「顧客が相手なら、要望に応えれば100点をいただけるのに、社内はゼロベースでやるべきことを考えなければならないので大変…」と戸惑うことも多かったそうです。
そんななかで、1年半前に聞こえてきたのが「オフィス移転」という言葉でした。
「プロジェクトに女性がいなかったんです。自分が働きたいオフィスにならないのではないかと不安になり、入れてくれと押しかけたのが始まりでした」
「情報化システムグループとしても知っておかないと」「勉強したい」「女性も必要だし」と、理由を並べてプロジェクトメンバーになると、最初の壁は「フリーアドレス」でした。
女性は荷物が…いや私は荷物が多いし、前の日に誰が座ったかわからない椅子は抵抗があると反対したのですが、「決まったことだから変えられない」というひとことで却下されました。
「女性にとっても過ごしやすいオフィスにしないと、という一心で、いろいろ意見していたので、明らかに嫌がられていましたね(笑)。われながらうるさいし、細かいことにこだわることも多かったので。
でも、議論を続けているうちに、こう思うようになったんです。『反対意見を言うだけでは信頼されなくなる』。フリーアドレスのオフィスをどれだけ快適にできるかという視点で捉え直して、具体的に提案していこうと切り替えました」
フリーアドレスを採用した他の会社を見学させてもらい、オフィスを快適にするさまざまな工夫がなされていることを知ると、いくつかのアイデアが浮かんできました。「フリーアドレスならではのプラスアルファが明確になれば、みんなが納得できるはず」。
主張するだけでは何も動かないと考え、プロジェクトメンバーを中心に社員の意見を引き出そうと丁寧にヒアリングすることからやり直したそうです。
しかし、こうしてうまくいくかと思われたプロジェクトは、さまざまな部署の意見を並べてからが大変だったのでした…。続きは【中編】で!