6月に、グループ会社:株式会社エフ・エフ・ソルが運用開始した『スマートタグを利用したセキュリティ強化策』の紹介記事を書きました。
スマホと通信できる小さなスマートタグ(忘れ物防止タグ)をセキュリティカードホルダーにつけ、セキュリティカードの紛失を防ぐ、という対策の試験運用についての記事です。
Qrio株式会社「Qrio Smart Tag」
カードホルダーにこのタグをつけ、スマホと交信させておくと、一定距離以上ふたつが離れたときにアラームでお知らせされる、という仕組みです。
この製品では、家に帰った時など、安全エリアや適用除外の時間帯を指定してアラームOFFの設定ができるので、プライベートでスマホだけ持ち歩いている時に、ずっとアラームが出ている、ということにはなりません。
似た機能をもつスマートタグはいくつかありますが、「Qrio Smart Tag」を選んだのは、「電池交換できるから」という理由だそう。バッテリーがなくなると本体ごと買い替えしなければいけない製品と比べて、ランニングコストを抑えることができると考えました。
運用開始から2ヶ月たったこの日、グループ内のセキュリティ活動推進会議で、株式会社エフ・エフ・ソルの担当者が、運用報告を行いました。
●導入効果について
「このタグをつけたおかげで紛失を防げたとの報告はありませんでしたが、そもそも紛失事故などのインシデントが発生しない、という状態が望ましいことです。
直接の事故防止というより、セキュリティ意識を高めるという点で、口で言うだけじゃなくて物でやる気を示した効果があるのではないか、と考えています」とのことでした。
●運用中に発覚した課題
1.タグとスマホが離れていないのにアラームが鳴る“誤検知”が発生して煩わしい、という声があった。原因がハード側かアプリ側かは不明。
2.アプリONの間は、常にタグと通信をしている(Bluetooth、位置情報ON)ので、スマホのバッテリー消費量が増えた。
3.スマホを持っていない(持っていても古いバージョンだ)と使えない。ただしこのケースは昨今のスマ―トフォン普及率の高さゆえごく少数名。
「導入当初は、従業員が面白がって使ってくれていたのですが、1.2.のような課題があり、アプリの起動をOFFにしたままだったり、というケースが出てこないか、やや心配しています」
●運用結果からの工夫
・管理工数の節約
「タグを80個購入し、約60個が稼働状態です。外注先社員などがいるプロジェクトには、担当者がタグ使用者ひとりひとりと貸出&返却をするのではなく、プロジェクト管理にすることで、管理を効率化しました。」
・タグをつける場所
「カードの紛失の可能性をさらに低下させるため、タグとカードはなるべく近い位置でストラップにつけるようにルール化しました。」
「効果を継続させるための工夫は今後考えていきたい」とのこと。
このタグを導入した目的として
「セキュリティ意識を高めるとともに、従業員にIoTを体験させたかった。IT企業ですからね。」
と担当者が言っていたのが印象に残りました。
※今回、導入したQrio株式会社「Qrio Smart Tag」の豊富な機能の詳細は、製品サイトにてご確認ください。