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ITエンジニアのお仕事&キャリア

2025年の客先常駐vs自社出社vsテレワーク 企業の実態とメリット・デメリット

ITエンジニアのお仕事&キャリア

国土交通省の「令和6年度のテレワーク人口実態調査」(注1)によると、雇用型テレワーカーのうち週1日以上テレワークを行った割合は、令和2年度のコロナ禍初期に比べると減少傾向であるものの、コロナ流行前に比べて高い水準を維持しています。

また、パーソル総合研究所の「第十回・テレワークに関する調査」(注2)によると、IT系技術職やコンサルタントの職種はテレワークの頻度が高く、週平均で1.8回を超えています。さらに、テレワークを実施している人で「今後もテレワークを続けたい」と回答した割合は82.2%となっています。

その一方で、「運動不足を感じる」「相手の気持ちがわかりづらくて不安」という困りごとも多く挙げられていました。今回はシステムエンジニアやインフラエンジニアの働き方の実態をふまえて、あらためて客先常駐・自社出社、テレワークのメリットとデメリットを整理します。

客先常駐のメリット・デメリット

金融業界や通信業界のプロジェクトなど、機密性が高いシステム開発やインフラ構築となると、大半が客先常駐でしょう。新入社員の頃、最初の配属先がお客様のオフィスになってから、本社で働いたことがないというエンジニアも少なくないようです。

最大のメリットは、システム開発の依頼主であるお客様の顔が見えること。ただしこれは、「コミュニケーションが苦手」「ものづくりに没頭したい」というエンジニアにとっては、良い面ばかりではない環境とも言えます。

客先常駐は、長期的なプロジェクトにアサインされるか、短期の仕事が続くかによっても、メリット・デメリットが変わってきます。入社以来、ずっと同じプロジェクトで働いているエンジニアからは、「ひとつのお客様しか知らないのは、やっぱり不安」という声が聞こえてきます。

ただし、顧客が1社でも複数のプロジェクトに関われれば、「お客様業務への理解が深まったうえで、いろいろやらせてもらえたのがよかった」となります。対して短期プロジェクトが多いエンジニアは、「さまざまな職場で、新しい仕事を次々にまかせてもらえた」「早期に成果がわかるのがいい」といいます。

いずれにしても、プロジェクトマネージャーやリーダーをめざすなら、顧客との距離が近く、実務に即したスキルを得られる環境はプラスといえるでしょう。

デメリットは顧客の事情に左右されやすく、人間関係がストレスになるケースがあることと、案件やプロジェクトによって成果や評価にバラつきが生じる可能性でしょう。「遠距離通勤になるリスクがある」「自社に対する関心が薄くなりがち」といった声も聞かれます。

環境の変化に柔軟に対応できる人、能動的に業務を進められる人、コミュニケーション力が高くスキルアップをめざしている人は向いているといえるでしょう。一方、人付き合いが苦手な人や、事業やサービスの成長に自発的にコミットしたい人は、働きにくいと感じることもあるようです。

自社出社のメリット・デメリット

自社出社のメリットは、社員同士のコミュニケーションの機会が多いことと、仕事のオン・オフをはっきりさせやすいことです。自社サービスの立ち上げに携わるエンジニアや、社内SEのなかには「上流工程から関われる仕事が多い」というメリットを挙げる人もいます。

自社の職場環境を快適だと感じる人、会社にいることでモチベーションが高まる人、気持ちの切り替えを重視する人、コミュケーションによって新たな知識やアイデアを得たい人は、出社が向いています。一方、時間を効率的に使いたい人や、ひとりで集中して仕事をしたい人は、テレワーク向きといえます。

テレワークのメリット・デメリット

テレワークの魅力は、通勤によるストレスがなく、働く場所を自由に選べること。時間を効率よく活用できるのが最大のメリットです。一方、「家にいると作業効率が下がる」「コミュニケーション不足によって情報の格差が生じる」といったデメリットもあります。テレワークのみの勤務だと「オンサイト開発のメンバーより孤独感が強い」という声もありました。

テレワークに向いているのは、計画的に業務を進められる人、適切な作業環境を整えられる人、自発的に行動できる人、自己管理ができる人、孤独に強い人でしょうか。逆に向いていないのは、指示を待つ姿勢で自発性に欠ける人、テキストでのコミュニケーションが苦手な人、作業環境の整備や時間管理が苦手な人です。

ソルクシーズのテレワーク状況

ソルクシーズは、コロナ禍が始まった2020年にいち早くテレワークを導入しました。現在は、客先常駐もありますが、出社とテレワークのハイブリッドが主流です。

それぞれ話を聞くと、「週5勤務のうち3対2でテレワーク多めがいい」「前のお客様は通勤時間が20分で快適だったけど、今は1時間半かかる」など、さまざまな事情と希望があります。フルリモートの社員もいますが、オンライン会議ツールやチャットを通じて先輩や同期と会話する機会が多く、孤独感があるという社員は少ないようです。

テレワーク浸透による変化

ちなみに先に紹介した国土交通省の調査によると、テレワークで働いている従業員の55.6%は「テレワークの日数・時間を増やしたい」と答えているとのこと。全体の26.2%は「自宅の近く」で「家事・育児」をするために使う時間が増えた、という結果が出ています。

同時に、「勤務先の近く」で「食事・飲み会」をすることが減った、という回答も24.8%。平成まで盛んだった「飲みニケーション」は難しくなっているようです。パーソル総合研究所の調査は、この状況とリンクしているかのようで、「部下の仕事の様子がわからなくなった」と不安を感じる上司が36.5%もいます。

これらのデータを見ると、テレワークの浸透によって働き方改革やワークライフバランスを大事にする動きは一気に進み、コミュニケーションのあり方が課題になっているといえるでしょう。ソルクシーズにも、「マネージャーや先輩に聞きたいことがあったとき、すぐに声をかけられるから毎日出社がいい」という声もありました。

客先常駐VS自社出社VSテレワークの良し悪しを決めるのは、働きやすさ、人間関係、コミュニケーションの仕組み。出社とテレワークを組み合わせたハイブリッドが人気ですが、その比率は、1対4か、3対2(もしくは2対3)か、4対1か…。上司の都合と部下の希望をすり合わせても、最適解は出ないのかもしれませんが、さて、みなさんのご希望は?

注1:国土交通省「令和6年度のテレワーク人口実態調査」
https://www.mlit.go.jp/toshi/kankyo/content/001879091.pdf

注2:パーソル総合研究所「第十回・テレワークに関する調査」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/telework-survey10/

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