DXで日本のビジネスをサポート|ソルクシーズ公認ブログ

はばたけソルクシーズグループ

イー・アイ・ソルがアメリカで受賞した「Outstanding Contribution Award」とは?【前編】

はばたけソルクシーズグループ

2024年5月、アメリカのテキサス州オースティンで開催された「NI Connect 2024」にて、イー・アイ・ソルがアジア・パシフィック地域部門の「Outstanding Contribution Award」を受賞しました。

「Outstanding Contribution Award」といわれても、どんな賞なのかわからないという方が多いでしょう。ナショナル・インスツルメンツ(以下、NI社)というアメリカの企業が年に1回、実施しているパートナー企業の表彰制度で、世界中の2000社以上のなかから、ヨーロッパやアジアなどの地域ごとに優秀な企業が選出されます。

イー・アイ・ソルは、日本に4社しかないNI社のゴールドアライアンスパートナーです。平澤社長によると、アジア・パシフィック地域の対象企業は約300社。中国企業が賞を独占していた時期もあったのですが、景気の影響で減ってしまい、今回のイー・アイ・ソル以外を見ると、インド企業ばかりだったそうです。

NI社の地域セールスディレクターが発表したコメントには、「イー・アイ・ソルの戦略的投資事業であるADG(航空宇宙、防衛、政府)とHIL(モデルベース開発/シミュレーション)分野へのたゆまぬ取り組み、卓越した成長率」とあります。

※(欧米ではHIL:Hardware In the Loopという呼ばれ方が一般的ですが、日本ではHILS:Hardware In the Loop Simulator / Hardware In the Loop Systemという呼称が多用されているため、以後、当記事では引用部を除きHILSを使用します)

そもそもイー・アイ・ソルは、「計測データの見える化」を行ってきた会社で、IoTを活用した予知保全が高く評価されてきました。山岳トンネル工事の現場で粉塵や可燃性ガスの濃度などのデータを取得し、事故や火災防止と電力消費量抑制を実現したり、工場の部品が発する音のデータから摩耗によるトラブルを予防したりするなど、建設業・製造業・医療分野に貢献してきた会社です。

ADGとHILSは、従来は手がけていなかった領域です。イー・アイ・ソルは、いつの間に新たな事業を立ち上げたのでしょうか。平澤社長に聞くと、「昨年から、ニューソリューションビジネスというワーキンググループを立ち上げ、5年後・10年後の成長のキーになるソリューションを検討していたんです」という答えが返ってきました。

ADGの領域では、無線技術に注力することにしました。無線技術は、今までイー・アイ・ソルでは全くやったことがなくて、かなり専門知識が必要な難しい分野です。チャレンジではあるのですが、ニーズがある無線技術の評価システムを作っていこうということで、技術者や研究に投資しています

HILSという技術は、シミュレーションのシステムです。例えば新たな自動車を製造するとき、世に出す前にいろいろな試作車を作るのですが、1台作るだけで数千万円がかかります。これを極力ソフトでシミュレーションできるようにすれば、試作車を作るコストが下がります。こちらもターゲットを決めて、評価システムを開発しようとしているところです

なるほど。評価・シミュレーションというあたりに、予知保全システムを手がけてきたイー・アイ・ソルならではの勝機があるのでしょう。それにしても、技術やノウハウがゼロの領域にチャレンジするとは…。しかもADGとHILSの研究とソリューション開発は、同時進行です。

イー・アイ・ソルは、なぜ新たな事業開発が必要と考えたのか。どうやって、たった1年でNI社に表彰されるような実績を残したのか。話を聞いていると、さまざまな疑問が湧いてきます。【後編】では、ADGとHILSの取り組みの実態と、「Outstanding Contribution Award」の受賞に至ったプロセスに迫ります。

タイトルとURLをコピーしました