テレワークが急速に拡大し、地方移住や副業チャレンジを考える人が増えています。リモートで働く文化が最も浸透しているIT業界は、業務委託という形で仕事を依頼しやすい業界でもあります。
首都圏のビジネスマン向けに地方の採用情報を掲載しているサイトや、副業専門のマッチングサービスには、数多くのIT・Web系の求人が寄せられています。いくつかのサイトをのぞいてみると、募集が多いのは「採用・求人」「システム構築・管理」「Webサイト立ち上げ・運営」。いずれも、テレワークを導入した企業が多い領域です。
地方企業の副業求人が多いシステム関連業務を、いくつか挙げてみましょう。
例えば、「自社の商品・サービスを全国に販売するための予約・決裁システムの構築と運用」業務。地元で生産した食材や特産品、アウトドアグッズなどがリアル店舗だけでは売れなくなっており、販路を広げようとする企業が増えて需要が高まっているようです。
営業管理・販売管理などの社内システム構築のニーズが多いのは、業務効率化やアウトソーシングを推進する地方企業が急速に増加しているからでしょう。
コロナウイルス感染拡大の影響で業績が落ちたために人件費を下げたい会社と、事業が好調で採用が追いつかず、人手不足をシステムでカバーしたい会社の二極化が進んでいるようです。
社内システムや業務フローの改善については、RPAやクラウドサービスのカスタマイズと導入、運用サポートの依頼もあります。これらのプロジェクトのなかには、チームプレーで構築・改善を図ったほうが効果を出しやすいものも散見されます。
今後は、企業が「社内副業サービス」を立ち上げるといった動きもあるかもしれません。自社のリソースの有効活用、社員の収入UP、モチベーションの向上、キャリアアップ促進を一石四鳥で実現できるスキームです。
地方企業のシステム開発・運用をBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)で受託し、担当したいシステムエンジニアやプログラマーを社内公募。手を挙げた社員には、給与と別にプロジェクト手当(という名の副業収入)を支給する仕組みです。
勤務する会社の募集であれば、知らない会社と個人で契約するよりも低リスクで、同じ会社の社員同士でチームを組むので連携を取りやすいというメリットもあります。自宅にいながら、自社の仕事と地方企業のプロジェクトに取り組むうちに、経験やキャリアの幅を広げられれば、システムエンジニアとしてもいい話なのではないでしょうか。
テレワークを定着させるべく、就業規則や業務管理手法、システムなどの環境整備を進める企業が増えれば、システムエンジニアやプログラマーが副業にチャレンジしやすくなるでしょう。
「システムエンジニア×テレワーク×地方×副業」の動きは、今後も要注目です。