2020年に多くの企業がテレワークを始め、リモートで社内サーバーのデータやコンテンツにアクセスできるVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)の導入が活発化しました。
ソルクシーズのテレワーク社員も、VPNを通じて必要なファイルや社内システムにアクセスしており、2020年1月と9月のログイン数を比べると2倍以上、日によっては10倍に伸びています。
2020年6月にHENNGE株式会社が実施した「企業のテレワークとVPN利用に関する企業調査」によると、従業員100名以上の企業の情報システム部門で、緊急事態宣言後のテレワークでVPNを利用したと答えたのは83%。そのうち、48.5%が「課題を感じた」と回答しており、62.6%の担当者が「トラフィックの集中によるレスポンスの低下や遅延が発生した」といっています。
そもそも、テレワーク実施時に社内サーバーを利用する際に、どんな方法があるかを整理しておきましょう。
大きく分けると、手持ちのPCから別のPCを遠隔操作できるリモートデスクトップ、サービス事業者がサーバーを管理してくれるクラウドストレージ、通信環境としてはVPNなどがあります。
大企業を中心にVPNが使われるのは、リモートデスクトップよりセキュリティ観点で低リスクであり、クラウドストレージより自由度が高いからでしょう。
このなかでは、会社の端末を持ち帰って利用できるVPNが最もシェアが高く、主流となっているのは「インターネットVPN」「IP-VPN」です。インターネット回線を利用したほうが低コストで、通信事業者が保有する閉域ネットワークを使う「IP-VPN」は、通信のクオリティが高まります。
ここまで読むと、VPNがいいことだらけに見えますが、先に紹介した調査で半数近くの企業が課題を感じたといっているように、この仕組みにもいくつか懸念材料があります。
最大の課題は、アクセスが混み合うと回線速度が低下したり、接続が不安定になったりすることです。
これらに対応しようとすると、同時接続数を増やす、機器を追加する、アクセス制限をかけて特定の社員やオフィスしか使えないようにするなどの策がありますが、コストがかかるだけでなく、情報システム部門の運用負荷も高まります。
最近は、多くの企業がVPNとクラウドストレージを使い分けています。本部はVPNを利用し、組織や拠点単位ではクラウドを活用する企業もあれば、外部パートナーとの情報共有をクラウドストレージに絞る企業もあります。
全体のコスト、管理の負荷、セキュリティ、利用頻度などを総合的に勘案しながら、適切な運用方法を決めればよいということです。小規模な会社なら、コストをかけてVPNを導入するのではなく、クラウドストレージに集約するという選択肢もあります。
クラウドといえば、セキュアな環境でファイル管理や共有ができるおすすめのサービスがあります。「Fleekdrive」をご存じでしょうか…?ソルクシーズグループが提供しているサービスで、ソルクシーズでも数年前に社内サーバーからFleekdrive(クラウドストレージ)に移行しました。
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