CASEという言葉をご存じでしょうか。自動車業界の開発領域において、最も注目されているキーワードで、Connected(つながる)、Autonomous(自律走行)、Shared(共有)、Electric(電動)という4つの単語の頭文字を取った造語です。
世界各国の大手メーカーが自動運転についての研究開発を推進するなかで、CASEは欠かせない条件となっています。
CASEを理解するためには、全体像を説明するよりも、4つの言葉が何を意味しているかを順に紹介したほうがいいでしょう。
自動運転を実現させるためには、それぞれのクルマと標識、地図や路上の状況などの情報を連携させなければなりません。「Connected」は、自動車が安全に走行するために必要な情報を、インターネットを介してリアルタイムに共有する技術を指しています。
情報連携が可能になれば、道路の空き情報やそれぞれのクルマの目的地などのデータを駆使して、「最も多くのクルマが、互いに障害にならないようにスムーズに走行する」ことが実現できます。
「Shared」は、道路やクルマを最大限稼働させるためのテクノロジー。「Shared & Services」と表現されることもあり、タクシーの配車サービスや宅配サービスの変革についても研究開発が進められています。
「Autonomous」については、既に多くの自動車メーカーがレベル2といわれる水準を達成しています。
レベル2は、「部分運転自動化」といわれ、「アクセル・ブレーキによる前後の制御と、ハンドルによる左右の対応をシステムが行う」「運転はドライバーが主体となり、システムが実施する挙動の監視とシステム外の操作を行う」といった定義がなされています。
無人走行を基本とするレベル4の技術的な到達時期は2020年といわれており、地域限定で実用化を図るプランが健闘されています。
「Electric」、すなわち電気自動車への統一については、フランスやノルウェーなどがガソリン車やディーゼル車の禁止に舵を切っており、欧米各社は電池メーカーとの協業によって開発を進めているようです。
日本の自動車業界にとって技術革新は喫緊のテーマで、従来の開発の概念を変えていかなければなりません。
ソルクシーズグループの中でも、組込みソフトウェア開発に特化したコンサルティングを行っているエクスモーション は、CASEの導入においても「A」と「E」の領域ですでに実績を挙げており、今後は総合的なコンサルティングサービスを展開し、自動車メーカーの発展に貢献しようとしています。
クルマ社会は、いつ、どこまで変わるのでしょうか。自動運転を巡るワールドカップの対戦相手は、強敵揃いであることは間違いありません。