サービスを企画・開発するシステムエンジニアやプランナーは、どんな思いやこだわりをもって商品やサービスを向上させようとしているのでしょうか。何しろ忙しい彼らは、じっくり聞かないと内に秘める思いを語ってくれません。
今回は、ソルクシーズの高齢者見守り支援サービス【いまイルモ】の立ち上げと改善を手掛けたAさんに、コンセプトとサービスへのこだわりについて熱く語ってもらいました。
「システムエンジニアと企画担当が集まって、最初に考えたのは、見守りによって幸せになるというのはどういうことなのか?でした。私たちが出した答えは、“見守る人も見守られる人も普段通りの生活ができること”です」
簡単に始められて、見守られているストレスがなく、続けていく際に余計な手間がかからないこと。【いまイルモ】の商品開発は、そんなコンセプトを形にすべく、機能だけでなく見た目や使い勝手にもこだわりながら、進められていきました。
「昔は地域のつながりがあって、見守りは自然にできていたんです。ところが今は、家族が小さくなって近所付き合いも減り、お互いのことに気づかない社会になりました。そんななかで、【いまイルモ】が目指しているのは、昔の日本にあったようなコミュニケーションを離れていても持てるようにすることです。
あくまでも主役は、人。サービスはお手伝いです。見守るサービスではなく、見守り支援サービスなのです」
本来、大切な人を見守るというのはポジティブなこと。その気持ちをサポートするためのサービスが、見守る人、見守られる人のストレスになってはいけません。
「最初にリリースしたとき、センサーの光が気になるとか、カメラみたいで落ち着かないといった声をいただきました。デザインについては何度も検討を重ね、設置されているのを忘れてもらえるような形状や色をめざしました」
「見守り・見守られ」を継続するためにかかる手間も、極力排除。電池を変えなくてもいいように給電式にして、コンセントから抜けにくいアダプターを採用しました。万が一にもケガにつながらないように角がない形にして、「おもちゃに見える」という室内にあったときの違和感も改善。
目立たず、止まらず、手間いらず。ごく稀に停電などで動作が止まると外部に通知され、ご本人に手間や心配をかけることなく外から対応に向かえるようにもなっています。
「カメラ式だとそこに映らないと見守る側は不安になり、見守られている側は監視されている感覚があります。【いまイルモ】は高性能のセンサーを使っており、どの部屋にいるのか、部屋の明るさや温度・湿度、生活に変化がないか、がスマホを通じてわかりやすいグラフで表示されます。
実際に始めてみると、見守られる方に何かをさせるのは、面倒なこと、難しいことなのがよくわかります。手間がかからず、センサーが作動しないなどのトラブルがないことには自信があります。
ぜひ、しっかり他社の商品と比べていただいて、【いまイルモ】のよさを感じていただければと思います」