新型コロナウイルスの蔓延による緊急事態宣言の発令以降、テレワークを推進する企業が急激に増えました。およそ2ヵ月前とは別世界になった3大業務は、「会議」「営業」「採用」ではないでしょうか。
新卒採用を進める大事な時期に、候補者と会えなくなってしまった多くの人事担当者も、Web面接にトライしてみたのではないかと思われます。
ソルクシーズも、そんな企業のひとつですが、人材開発室のSさんによると「Web面接をやってみようという話は、以前からあった」とのこと。
「新卒の採用人数を倍増させる。ただし採用基準は下げない」という難易度の高いミッションにチャレンジしていた彼らが考えていたのは、自社の業務効率化だけではありません。最大の狙いは、「Web面接の導入によって、地方の優秀な学生との接点を増やすこと」だったのです。
2月中旬から検討をスタート。当初やろうとしていたのは、首都圏在住の学生は従来通りの面接を行い、遠隔地のみWebで対応というプランでした。
ところが、3月になると新型コロナウイルスの感染拡大が話題になり始め、対面の面接は難しいと判断してWebに完全シフト。緊急事態宣言が出てからは、会社説明会もWebの会議システムを活用して開催することになりました。
「最初は、とにかくやりづらかったですね。扉をノックして、挨拶してから着席するまでの所作を見られなくなって。そこでは気遣いがあるか、落ち着きがあるかなど、個々のキャラクターを把握できる時間でした。元々、対面とWebを併用しようとしていたので、面接のフローは変えなかったのですが、直接顔を合わせられないデメリットを実感しました」
Webではやっぱりやりづらそうな学生から、いかに話を引き出すかに腐心し、チューニングを重ねていくうちに自分なりのやり方が見えてきたと語るSさん。
ブラウザや音声のトラブルは回避できず、「画面が固まってしまったので、電話で伝えようとしたのですが、当然ながら向こうはスマホの電源を切っており、面接が完全にストップしたときは焦りました(笑)」。
役員と学生2人が相対する最終面接の司会進行など、いくつか課題はあるものの、Web面接のみでも以前と比べて遜色ない採用を実現できる手応えを得たそうです。
「面接時の背景の画像を変えたら?と、役員から各論の提案があったときはびっくりしました」。シンプルな機能と手頃な価格という条件で選んだWeb面接システムも、特に問題なし。
会って話したいという気持ちはありながらも、ツールの活用法とコミュニケーションの工夫によって、面接のクオリティを高めていきたいと語ってくれました。
「Web面接&説明会システムを使ってみた」第2回は、より苦労が多かったWeb会社説明会の体験談を紹介します。