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ITトレンドレポート

「人間化」が進む生成AIでエンジニアの仕事は激変する?

ITトレンドレポート

「ChatGPT」は従来に比べて人間らしい自然なやりとりができるようになり、12月から年齢確認システムによって従来NGとしていた領域のコンテンツ生成を解禁します。また、「Copilot」は「リアルトーク」「キャラクター」などで一人ひとりに合わせた会話を行い、より人間らしくコミュニケーションできるようになります。このように「人間化」が進む生成AIの世界では、エンジニアの仕事はどうなるのでしょうか。

生成AIの進化で、システムエンジニアの仕事は大きく変化しています。コードの自動生成やバグの修正、テストの自動化などの作業が効率化され、エンジニアはより戦略的で創造的な業務に集中できるようになりました。これにより、プロジェクトのスピードや品質が向上し、レビューなどの工程でも負担が軽減されています。

ただし、生成AIへの過度な依存には注意が必要です。自動化によって日常的なプログラミング作業が減少すると、問題解決能力の低下につながる可能性があります。

AIは明確なルールやパターンに基づいた作業が得意ですが、システムの全体設計や企業のニーズへの対応、ユーザー体験の最適化、技術的な意思決定といった領域は依然として人間のエンジニアが担うべき重要な役割です。そのため、エンジニアは設計やシステム全体の最適化に関するスキルを新たに身につけなければなりません。

また、AIが生成するコードやテキストなどは正確とは限らないため、内容を確認し、必要に応じて修正しなければなりません。これからのエンジニアには、AIをうまく活用しながら、自身のスキルを磨き続ける姿勢が求められていきます。

既にAIによるルーティン作業の自動化によって、エンジニアの業務効率は確実に高まっており、「時間的な余裕ができた」「プライベートの時間を確保しやすくなった」という声も増えているようです。

生成AIの活用は、仕事だけでなくプライベートにも広がりを見せています。OpenAIとハーバード大学が実施した調査によると、ChatGPTの全メッセージの約70%が仕事以外の用途で使われていることが明らかになっています(注1)。

この研究は、週あたりのアクティブユーザー7億人の行動パターンと150万件以上の会話データを対象に行われ、AIが社会に広く浸透し、人間の思考を支えるパートナーとしての活用度が高まっているとレポートしています。

気を付けないといけないのは、テレワークと生成AI活用が重なり、「プライベートと仕事の垣根が低くなること」「生成AIへの支持・相談・依存がボーダーレスになること」です。

OpenAIのレポートによると、仕事関連のメッセージに限定するとその内訳は、AIへの「実行」依頼が55.8%、「質問」が35.3%を占めています(注2)。特に専門職に就くユーザーほど「質問」の比率が高くなっているのが特徴です(注3)。このことから、高度な判断を必要とする場面でAIを相談相手として活用していると類推できます。

プライベートでも生成AIを活用して、SNSの投稿文やハッシュタグの自動生成や、読んだ本の要約、商品や店舗の情報収集などをしている人も増えているようです。そうなると、仕事でもオフタイムでも生成AIとやりとりする時間の比率が激増する可能性があります。

仕事で活用する際には、AIのアウトプットに対して必ずチェックしていても、プライベートではその必要がないため、あれもこれも気軽に相談しているうちに依存度が高くなる人もいるようです。今後、生成AIの「人間力」が高くなると、仕事中でも個人的な悩みを相談したり、愚痴を聞いてもらったりすることが増え、生産性が落ちてしまうなんてことがあるかもしれません。

仕事とプライベートが混在すると、セキュリティの懸念もあります。これからのエンジニアは、生成AI活用の際のデバイス管理や、タイムマネジメントもより重要になってきそうです。業務における活用ルールもさることながら、自分なりの活用の仕方を明確にしておくことも必要になってくるのではないでしょうか。

「この文章も生成AIが書いているのかも?危ない。AIのいうことを真に受けるとこだった」と思った方もいるかもしれませんが、ご安心ください。こちらは、人間力がさほど高くない人間が書いています。生成AIとの会話ほど、楽しい文章ではなかったかもしれませんが、今後の活用におけるヒントになれば幸いです。

 

OpenAI「How people are using ChatGPT」
注1:サマリー
https://openai.com/index/how-people-are-using-chatgpt/

注2:レポートのFigure 11:
https://cdn.openai.com/pdf/a253471f-8260-40c6-a2cc-aa93fe9f142e/economic-research-chatgpt-usage-paper.pdf

注3:同レポートの「6.5 Variation by Occupation」

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