IT技術の急速な進化やDX推進ニーズの拡大、IT人材の不足により、需要が増加しているシステムエンジニア。さまざまな業界に活躍の場が広がっており、将来像や働き方の多様化が進んでいます。
一方でAIの台頭などにより、将来的に求められるIT人材は高度なスキルをもつ「先端IT人材」に限られていくという経済産業省の予測もあります。移り変わりの激しいIT業界で、システムエンジニアとして長期的に活躍するためには、明確なキャリア戦略が必要になりそうです
今回は、システムエンジニアの代表的な5つのキャリアを、【前編】【後編】の2回にわけてレポート。長期間活躍できるシステムエンジニアになるために必要な経験・スキルをふまえ、「いま」やるべきことを解説します。
【1】プロジェクトマネージャー
システム開発の上流工程を担当する「プロジェクトマネージャー」です。システム開発におけるプロジェクト管理のニーズはむしろ高まっており、非常に将来性の高いポジションといえるでしょう。
プロジェクトマネージャーは、クライアントが抱える課題やニーズを把握するためのコミュニケーション能力、交渉力に加えて、業界・技術に関する幅広い知見が求められます。プロジェクトに関わるプログラマーやシステムエンジニアを統率する立場でもあるため、リーダーシップやマネジメント能力も必要不可欠です。
システムエンジニアとして現場で経験・スキルを磨きながら、プロジェクトリーダーを経験し、マネジメントスキルを身に付けてステップアップしていくのが一般的なキャリアです。
【2】スペシャリスト
最先端技術のスペシャリスト。成長領域の知識・技術をマスターして武器にするのも、システムエンジニアの有効な生き残り戦略でしょう。
とくにAI・ビッグデータ、IoT、クラウド、情報セキュリティ、モバイルといった領域の技術は、今後も多様な業界でニーズが拡大していくと考えられます。
これらの領域を武器にしていくなら、将来像の明確化と計画的なスキル習得が重要です。たとえばセキュリティ分野なら情報セキュリティマネジメント試験、クラウドならAWS認定といった資格があり、取得しておけば新たな仕事にチャレンジしやすくなるでしょう。
【3】フリーランス
現場で経験を積んだあとは、フリーランスをめざすのも一案です。仕事を獲得するためには、自ら営業をする必要があるものの、「仕事の内容・ボリュームやライフスタイルを自分で決められる」「領域によっては、正社員より高い年収を得られる」といった点は大きな魅力でしょう。
加えて最近は、正社員でもオフィスに出社せずに在宅で仕事をする人が増えています。オンラインミーティングやチャットなどのツールが充実している今なら、スムーズにフリーランスに移行できそうです。
組織を離れて自分スタイルで働いていくなら、在職中のネットワークの活かし方、新たな仕事を得る方法、自らの経験やスキル・ノウハウのアピール術などについて、企業にいる間にプランを立てておく必要があります。フリーランスでできる仕事についてリサーチしておくなど、できることから準備を始めてみてはいかがでしょうか。
【後編】でも引き続き、システムエンジニアのキャリア選択について解説していきます。移り変わりの激しい業界で長期的に活躍したい人は、ぜひ続けてお読みください。