SIサービスとストックサービスを両輪で展開しているソルクシーズ。このシリーズでは、SI(システムインテグレーション)サービスにおいて、お客様の課題解決に貢献したさまざまな事例を紹介していきます。
第1回のテーマは、「テストの自動化」です。お客様は証券関連の企業で、テストの対象範囲は、ソルクシーズが一から開発し、保守しているシステムのミドルウェアのバージョンアップでした。
対応方法が決まったときに、お客様から「自動化できるパートがあるか、検討してほしい」というご要望をいただいたのが、「テストの自動化」を提案したきっかけです。
「RPAを使った自動化というと、一般的には人間がやっていることをロボットに覚えさせるというイメージですが、今回は視点を変えて、ロボットにテストシナリオ(=指示書)を提示して動いてもらうという考え方で設計しました」というのは、自動化のデザインを担当したMさん。
いくつかのRPAツールを検討し、UiPathを活用するのがベストという結論に至ったといいます。
「今回の案件にフィットしていたというだけでなく、ソルクシーズにスペシャリストがいたのもUiPathを選択した要因です」
画面システムのテストにおける「検索窓に所定のワードを入力する」「検索ボタンを押す」「先頭に表示されているデータを選択する」「表示された画面のスクリーンショットを取る」などの動きをテストシナリオとして準備し、夜間にロボットがシナリオに従って実施。その作業結果を、翌日出社した担当者がチェックする、という流れでテストを進めました。
「導入したタイミングもよかったですね。コロナウイルスの感染拡大で、在宅勤務をしなければならなくなったとき、ちょうどこの仕組みを使えるようになったので、お客様にとても喜ばれました」
テストシナリオの作成までは自動化できないため、画期的に業務工数が削減されたとはいえないものの、膨大な単純作業に多くの社員をアサインする必要がなくなり、しかもロボットなら24時間対応できます。
人間が起こす間違いや抜け・漏れがないのも、RPAを活用した自動化のメリット。作成したテストシナリオは、そのシステムがカバーしている“業務プロセス”を理解する助けとなるだけでなく、他のシステムテストにも応用ができる、部署の資産になるでしょう。
長期的に使うシステム、テスト工数がかさむ大規模なシステム、多くの人員が運用に関わるシステムほど、自動化のメリットは大きくなります。
「今回の自動化についても、初回のテストの業務工数は削減されない可能性がある、とお客様には率直にお伝えしました。
『作業が減る』『ラクになる』という効果に目がいきがちな自動化ですが、作業上のミスやトラブルの撲滅、スムーズな引継ぎといったメリットを評価いただけたのではないかと思います」
SIサービスの価値は、それぞれの企業・組織の要望や事情に応じたシステムと作業フローを設計できること、プロジェクトに必要な技術をもった人材を確実にアサインできるところにあると思います。
ソルクシーズは、純国産のRPAツール「WinActor」の導入支援 も手掛けています。「業務の自動化に興味はあるものの、具体的に検討できる人材がいない」「社内のシステム開発・運用人材が不足している」という方は、ぜひお問い合わせ ください。