「当初は、とにかく厳しかったですね。当社はコンサルティング、トレーニング、ツールを提供している会社で、お客様に会うのが仕事だったので」
そう語るのは、エクスモーションのTさん。組込みソフトウェアを開発する組織と現場の課題解決を手掛ける会社として、影響があった点の一つとしては、会議室で開催するトレーニングができなくなったことです。
自動車業界や医療機器関連の顧客が多いエクスモーションにとって、コロナウイルスの感染拡大が始まった3月は、例年なら書き入れ時。コンサルティングやトレーニングの中断や延期が増え、想定より早くサービスのオンライン化を求められる状況に突入しました。
「コロナウイルスが蔓延する前から、オンライン化の構想はあったのですが、いきなり100%シフトできるかというと難しかったですね。それでも、想像以上に早くオンラインに切り替わりました。
私たち自身もさることながら、お客様の価値観が変わったのが大きかったです。組込みソフトウェアのシステム開発は機密事項が多く、訪問が必須だったのですが、オンラインを前提にいかに安全に情報管理すべきかと発想が激変しました」
対面の打ち合わせや営業がなくなったことが、プラスに作用した面もあったとのこと。
「既存のお客様とは、今まで以上にコミュニケーションできるようになりました。営業面では、Webを通じて地方の企業にリーチできたのが大きな変化ですね。
私たちのWebの活用度が上がったと同時に、お客様もオンライン活用度が高まっているのだと思います」
自社と顧客の双方の変化によって、新たな営業手法やサービスのあり方が見えてきたそうです。
緊急事態宣言下では、個別に提供していたオンラインサービスについては、6月に「トータルコンサルティングサービス オンラインプラン」として正式リリース。
「交通費など経費負担がない」「複数エキスパートの知見を柔軟に活用可能」といった新たなメリットを打ち出しています。
従来は自社サイトと展示会がメインだった集客手法に、機能が向上したZoomを活用したオンラインセミナーが加わり、今までとは違う顧客層の開拓が進んでいます。
また、事業の多様化も積極的に進めています。そのひとつとして、自社のコンサルティングノウハウと情報資産を活かしたビジネス&テクノロジー領域の新規事業を展開。
イノベーターの発掘・育成と起業支援を行うDeruQui(デルクイ)をスタートさせ、若手のシステムエンジニアを企業の中枢人材あるいはアントレプレナーとして世に送り出そうとしています。
ピンチを、チャンスに。エクスモーションのチャレンジが、ウィズコロナのIT業界にもたらす変化に注目です!