「IT基盤は、システムごとに違うものなので、どのプロジェクトに入っても最初はわからないことだらけで苦しいです。でも、続けていくうちに知見が身に付いていると実感できるので、満足感を得られます」
こう語るのは、ソルクシーズでインフラ基盤歴21年のEさん。入社してからすぐに、システム開発やプログラミングを担当する社員が多いなかで、Eさんは開発プロジェクトの経験がないそうです。
入社2年めから、クレジット系企業のシステムに携わることになり、運用・保守を10年担当。メインフレーム、基幹システム、OSまわりのメンテナンスをまかせられながら、基幹システムが新しくなるたびにシステムインフラの設計・構築を手掛けていました。
「基幹の新システム立ち上げの際には、要件定義、設計、システム構築、テストを実施し、リリースした後は運用・保守。このサイクルで、仕事がまわっていた時期がありました。メインフレームのバージョンアップや、リプレイスの移行計画もやったことがあります」
10年も同じ会社の仕事に携わってきて、そろそろ外に出たいと思うようになった頃、リース系企業のオープン系サーバーのチームにアサインされました。財務・人事システムの運用・保守を2年ほど担当。その後、元のクレジット系の会社に出戻ることになり、セキュリティ対応の仕組みなどを3~4ヵ月のスパンで構築する日々が続きました。
「長く関わってきた会社なので、協力会社もベンダーも顔見知りでした。後半の3年は、BMO(ビジネス・マーケティング・オフィサー)として、複数の企業とパートナーを束ねる役割をまかせていただきました」
4年前から、ITベンダーが管轄する新たなプロジェクトに参加。保険会社が扱うクレジットカードの法改正対応です。保険会社とカード会社の間に入り、データの伝送処理やセキュリティ関連の仕組みを作り上げるのがソルクシーズの役割。最終的には、保険会社10社に対して数多くのカード会社を連携させるという大きな仕事になりました。
IT基盤の仕事が難しいのは、守備範囲が広く、常にゼロベースからの構築となるところです。サーバー、ネットワーク、ソフトウェア・ミドルウェア、OS、データベースから、PC、スマホ、タブレットまで視野に入れて構築しなければならないため、必要な知識は多岐にわたります。
「大規模で重要なシステムに関われることと、満遍なくすべての工程に関われるのが醍醐味ですが、以前に作ったものを活かせる領域はほとんどありません。完成形がイメージできていても、考え方が整理されていても、材料と実現する方法が見えていない時間が長い仕事です」
好んでやりたがる人はいないけど、やってみるとおもしろい仕事と語るEさん。後編では、IT基盤のエンジニアに向いている人と、やりがいについて紹介します。2年ほど前に、Eさんに訪れた転機について知ると、この仕事に興味を抱く人が増えるのではないでしょうか。次回もぜひ、ご一読ください。