専門性で勝負するのか、ゼネラリストとして活躍するのか。AI、音声認識、自動運転車、仮想通貨など新しい概念や技術が世に出るスピードが加速するなか、システムエンジニアにとって、古くて新しいテーマなのですね。
ソルクシーズの社員がさまざまなテーマについて議論する「システムエンジニアの本音トーク」、第2回は40歳という節目を軽やかに超えたシステムエンジニア2人に「自らの価値をどこに求めていくか」という深遠なお題について語っていただきました。
「顧客のニーズに応えること、会社の利益を守ること、自分の“やりたい”を形にすること、そのすべて実現させようとすると、難しいですよね…」。なかなか答えが出ない問いかけからトークが始まり、そもそも価値とはなんぞや?という話がひとしきり続きます。
YさんとZさんは、30代前半まではシステムエンジニアとして技術やノウハウで勝負してきたというところは共通しています。キャリアの転換期を迎えたのは、30代の半ばを過ぎた頃でした。
「若い頃は、会社に評価されたいという気持ちもそれなりに強かったんですが、あれもこれもちゃんとやろうとしすぎて息切れしたのかもしれません。パフォーマンスが落ちて、何を目指してやっていけばいいのかがわからなくなりました」(技術追求派:Yさん)
「できないといえずに、がんばりすぎた時期に行き詰ったんですよね。コンサルタントとしてこのまままっすぐ進めないと思い、会社の裏方として支援する仕事に路線変更しました」(路線変更派:Zさん)
高い技術力で会社に利益をもたらすか、組織やプロジェクトをマネジメントして成果を出せる人材が評価されるのがシステム関連業界。客観的に見れば技術で充分評価されるYさんは、自分がそういう立ち位置にいることに気づくまでに時間がかかったそうです。
「大規模プロジェクトを経験したことがなく、多くの部下を抱えてマネージャーとして活躍するイメージは持てませんでした。
一方で、技術者としてこれを追求すると決めていたわけでもなく、顧客や会社からのオーダーに対して何でもできますといって取り組んでいたのですが、自分の志向と実際にやっていることに折り合いがつかなくなっていたのだと思います。
ある時期から、何をやりたいかだけでなく、何ができないのかを考えるようになりましたね」(技術追求派:Yさん)
「私もYさんと似たようなところがあったのかもしれません。世渡り方法を覚えたというか、自分でできることと、ほかの人にまかせたほうがいいことを仕分けたほうがいいと気づいて考え方が変わりました」(路線変更派:Zさん)
内なる挫折を経験した2人は、40歳を過ぎてからどんなキャリアをめざすようになったのか?技術追求派と路線変更派の本音トークは、後編に続きます。