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ITエンジニアのお仕事&キャリア

業務マネジメント、交渉力…意外と知らないSEの必須スキル

ITエンジニアのお仕事&キャリア

システムエンジニアをめざしている学生のみなさん、あるいはシステムエンジニアとしてキャリアアップしたい若手の方々は、「SEの必須スキルは?」と問われたら、どんなことを想像しますか?

多くの方が、「プログラミングに関する技術」「システム設計のスキル、ノウハウ」「ハードウェア、ソフトウェア、DBなどの知識」を思い浮かべるのではないでしょうか。はい、正解です。ただし、これらだけでは満点とはいえません。

実は専門的な知識・スキルと同じぐらい必要な能力があるのです。

それは「ポータブルスキル」。仕事との向き合い方や、人との向き合い方など、どのような環境でも活用できる「持ち運び可能なスキル」は、SEの現場でも重要な役割を果たします。

SEとしてキャリアアップするためには、このポータブルスキルと、専門的な知識・スキルをバランスよく組み合わせることが大切です。

そこで今回はSEの必須スキルを、ポータブルスキルと、より専門性の高いハードスキルにわけて紹介。就職・転職に役立つスキルセットを解説していきます。

「SEをめざしたいけどどのようなスキルを身につければいいかわからない」「SEとしてどのような方向にスキルアップすればいいかわからない」という人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

SEが身につけるべきポータブルスキルとは

今でも、「システムエンジニアは、PCの前で淡々と作業をする仕事」というイメージを持っている人がいるかもしれません。しかし実際には、日常業務のなかで顧客や開発チームのメンバー、パートナー、他部門の社員など、さまざまな立場の人と関わる機会があります。

そのため、業務を円滑に進めるにはポータブルスキルが必須となります。人間力があるシステムエンジニアは、顧客やチームメンバーから信頼されやすく、調整力に優れるため、プロジェクトチームの潤滑油になります。

近年はリーダーやマネージャーを求める企業が増えており、周囲の人々に行動を促すスキルはキャリアアップに結びつきやすいともいえるでしょう。特に上流工程やリーダー・管理職などの重要なポジションは、一定水準以上のヒューマンスキルがないと任せられません。SEの出世や年収にも大きく影響するスキルなのです。

とはいえ、一口にポータブルスキルと言っても、その具体的な内容は多岐にわたります。SEの現場で求められるポータブルスキルには、どのようなものがあるのでしょうか。

まずは「コミュニケーション能力」、その後 早期に身につけたいのが「マネジメント力」「問題解決力」「英語力」です。

「コミュニケーション能力」については、いくつかに分解して捉えたほうがいいでしょう。

重要なのは、顧客のニーズを引き出す「ヒアリング力」、実現したいプランを関係者に理解してもらうための「表現力・プレゼンテーション力」、顧客の要望と自社の事情をすり合わせて両者が納得できる答えを導き出す「交渉力」です。

ヒアリング力」については、相手が何を求めているのかを聞くだけでは足りません。いわれたとおりのものを創るだけでは、いいサービス、いいSEとはいわれないでしょう。

「なぜ、それを求めているのか」「システムを開発・改修することで、どうなりたいのか」「必ず実現したいこと、できればほしいことはそれぞれ何なのか」…。オーダーの元にある背景・状況を把握し、ニーズを整理できなければ、限られた予算・時間のなかで最適な企画を提案できません。

開発チーム内のやり取りでも、ヒアリング力は大切です。上司・先輩から説明された内容を正確に理解できるシステムエンジニアほど、業務遂行力が高く、成長スピードも速くなります。リーダーの立場では、プロジェクトの状況を把握したり、メンバーが抱えている課題を明確にしたりする際に、傾聴スキルが重要になるでしょう。

表現力・プレゼンテーション力」について重要なのは、「伝える相手を理解すること」です。決裁者か現場の担当者か、専門知識があるのか、何を知りたがっているのかなど、立場や能力、ニーズによって伝え方は変わります。

たとえばシステムに関する知識がないお客様であれば、専門用語の使用は避け、平易な言葉に噛み砕いて伝える必要があります。逆に、システム刷新の経験が豊富な担当者やエンジニア同士なら、端的な表現でも伝わるでしょう。

交渉力」については、駆け引き上手になれといっているのではありません。顧客に納得してもらうためには何が必要なのか、諦めてもらえるのはどこなのかを把握し、自社の必須条件と照らし合わせて、いい落としどころを設定できることが最も大事です。

 

プロジェクト推進に欠かせない「マネジメント力」「問題解決力」

プロジェクトリーダーとして、全体を管理・推進することを求められるようになると、「マネジメント力」は欠かせません。

それぞれの業務にどのくらいの工数がかかるのか、実制作を行うプログラマーなど関係者に何を要望するのか、遅延やトラブルなどのリスクをどのくらい見込むのか。適切な人員配置、スケジュール、業務プロセスを設計したうえで、全体をスムーズに動かせるスキルが求められます。

目標達成に向けて開発チームを導くリーダーシップも大切な素養です。ときにはチーム全体のモチベーションを上げたり、困っているスタッフを個別にフォローしたりすることも必要です。

「マネジメント力」を身につけるというと、「場数を積まないと…」といった話になりがちですが、的確に伝わる設計書を作成する力や、業務設計力などは、日々の地道な取り組みと見直し、によって高めることも可能です。

問題解決力」は目の前の問題に適切に対処するスキル。事実を客観的に分析して問題の原因・解決策を特定する「論理的思考力」や、打ち立てた施策を最後まで実行する「業務遂行力」に分解できます。

システム開発の現場では、計画通りにプロジェクトが進むとは限りません。顧客からの仕様変更依頼も含めて、予期しないトラブルは日常茶飯事です。変わりゆく状況ごとに迅速かつ冷静な意思決定をしたり、目標達成のために根気強く試行錯誤をしたりと、柔軟性や忍耐力が求められます。

そもそもシステム開発は、お客様が抱える課題を解決する仕事です。問題解決力は、システムエンジニアの最重要スキルと言っても過言ではないでしょう。

最後に「英語力」ですが、多くのベテランSEが、「最新技術に関するニュースやレポート、マニュアルは海外から発信されることが多いので、英語ができたほうがよい」と声を揃えています。現在の部署に、海外とやりとりする業務がなかったとしても、先々のキャリアアップを見据えて英語はマスターしておいたほうがよさそうです。

昨今は、海外のベンダーに低コストで開発を依頼するオフショア開発の案件も増加しています。語学力やコミュニケーション能力があれば、海外ベンダーとのパイプ役を担う「ブリッジSE」として活躍する道も開けるでしょう。

こうして見ると、システムエンジニアには、いわゆるITスキル以外にもさまざまな知識・スキルが必要なのがよくわかります。

 

領域別のエンジニアの必須スキル

クラウド、AI、データサイエンス、IoT、FinTech、セキュリティ⋯⋯IT技術の急速な進化により、一人のエンジニアがすべての領域に精通するのは難しくなりました。現在は、専門化・分業化が進んでいます。

もちろん、あらゆる技術にアンテナを張ることは大切です。同時に、特定のスキルを深堀りすることで「T型人材」「π型人材」をめざすのが、エンジニアのスタンダードな成長戦略でもあります。得意領域を身につけることで、専門性の高いプロジェクトや職種を任されやすくなるでしょう。

身につけるべきハードスキルは、携わりたいプロジェクトやめざしたいキャリアパスによって異なります。ここでは職種を軸に、システムエンジニアに求められる専門的なスキルを紹介していきます。

まず取り上げるのは「アプリケーションエンジニア」。Webから業務システム、モバイルまで、多様なアプリケーションの開発に携わるポジションです。

アプリケーションエンジニアには、JavaScript、PHP、C、C++、Java、Swiftなど、用途に対応したプログラミング言語の習得が必要です。React、Vue.js、Spring Frameworkといったフレームワークや、データベース、サーバー、ネットワーク、セキュリティの幅広い知識も重要になります。

インフラエンジニア」は、インフラストラクチャー構築の専門家。サーバーやクラウド環境の構築・運用、ネットワークの設計・監視、ストレージ管理など、インフラ全般の知識・技術が必要です。関連資格としては、「Linux技術者認定資格」「シスコ技術者認定」などが挙げられるでしょう。

専門領域に応じて「サーバーエンジニア」「ネットワークエンジニア」「データベースエンジニア」「クラウドエンジニア」などに細分化されることもあります。いずれの職種をめざす場合でも、専門性+インフラに関する広範な知識が求められます。

現在、特に市場価値が上昇しているのが「クラウドエンジニア」。管理のしやすさやコストパフォーマンス、テレワークの普及などを理由に、クラウドを導入する企業が増えています。

AWSやAzure、Google Cloudといったクラウドサービスや仮想サーバーなどの知識を駆使して、最適なクラウド環境を設計・構築・管理・運用するのがクラウドエンジニアの役割です。業務の幅を広げるなら、Python・Ruby・Javaといった言語を習得するのも効果的でしょう。

AIエンジニア」も、AI技術の発展によりニーズが高まっている職種のひとつ。その名の通り、AI(人工知能)を活用したシステム開発のスペシャリストです。顧客へのヒアリングから要件定義、データの収集・整形、モデルの設計・作成まで、一貫した業務を担うケースも少なくありません。

また、AIを活用してデータ分析を行う「アナリティクス分野」のSEとして活躍するモデルもあります。AIが学習・蓄積した情報を分析・解析して、プログラムやビジネスの改善を実現する職種です。

AIエンジニアをめざすためには、Pythonなどのプログラミング言語や、SQLなどのデータベース運用の知識に加えて、AIに関する高度な知見と統計学・数学の知識が不可欠。現場では、大学院などで専門知識を学んだ人材が数多く活躍しています。狭き門ではあるものの、希少性が高く、非常に将来性のある領域といえるでしょう。

組込みエンジニア」は家電・自動車・工業製品・医療機器などを制御するための組込みソフトウェアを設計・開発する仕事です。

AIや、モノとインターネットを接続するIoTなどの技術が発達したことで、活躍の場が広がりました。航空業界・宇宙産業・防衛産業などでの活用にも注目が集まっており、成長性が期待できる領域といえるでしょう。

求められるスキルとしては、IoT・AIなどの先端IT技術や、C、C++、Java、Pythonなどのプログラミング言語、アセンブリ言語、WindowsやLinux、ITRONといったOSの知識が挙げられます。

キャリアアップをめざすなら、ETEC(組込み技術者試験制度)の資格を取得するという手もあります。ソフトウェアだけでなく、マイコンやハードウェア関連の知識が必要な点も、組込みエンジニアの特徴です。

コンプライアンス意識の高まりやサイバー攻撃の高度化・複雑化により、「セキュリティエンジニア」の需要も拡大しています。サイバー攻撃を予防するための調査や、適切なセキュリティ対策を実施・運用するのがミッションです。

脆弱性やその診断・対策、セキュリティ製品、法律といったセキュリティ関連の豊富な知見と、インフラ系の知識・技術が求められる職種です。ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの認証取得に対応できることも、重要なスキルといえるでしょう。「情報セキュリティマネジメント」「情報処理安全確保支援士試験」などが関連資格として挙げられます。

上記のようなスペシャリストのほかに、総合的なスキルを磨いて、プロジェクトリーダーやマネージャーをめざすキャリアもあります。

管理職であっても、システム開発に関わるうえで関連スキルの習得は欠かせません。プログラミング言語からデータベース、インフラ、クラウド、セキュリティ、AI・IoTなどの先端技術まで、幅広い技術の知見があれば、多様なプロダクトに対応することができます。

とはいえリーダーの立場をめざすなら、やはり重要になるのはポータブルスキルでしょう。経営や財務・会計の知識などを身につけると、プロダクトの成功に大きく寄与することができます。

以上、システムエンジニアに必須のスキルを紹介しました。これからSEをめざす方、さらにレベルを上げたい方は、何をすればどんな力が得られるのかを意識しながら、日々の業務や情報収集をしていくとよいでしょう。就活中の学生のみなさんは、どんな力が身に付きそうか想像しながら、ソルクシーズの新卒採用サイトをご確認ください。

※この記事は2017年2月7日に公開した記事を再編集しています。
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