2024年12月16日にオープンした「mixi2」が、開始から5日で登録者数が120万人を超えたと伝えられました。2023年の「X」のブランド変更から、新たなサービスやブランドが続々と成長を遂げたSNSは、激動の時代となりつつあります。
今回は、SNSのマーケットの全体像を押さえつつ、各サービスの特徴とトピックスを紹介。「自社のブランドやサービスを幅広い層に伝えたい」「変化が激しくて、SNSの活用法がわからなくなった」「ターゲット層を取り込むためにSNSをうまく使いたい」といった企業担当者の方々が、押さえておきたい情報をお届けします。
まずは、2024年のトピックスをおさらいしましょう。最も大きな動きがあったのは、日本国内の月1回以上利用者が6700万人と公表している「X」です。イーロン・マスク氏が「Twitter」の買収を完了させたのは2022年10月、「X」に名称を変更したのは2023年7月。昨年は、「おすすめ」タブのアルゴリズム変更が広告や運用の担当者の話題になっています。
「Twitter」の頃は、フォロワー数が多いアカウントや、リツイートや「いいね」が多いツイートがタイムラインに表示される仕様になっており、人気のアカウントがアクセスを総取りしてしまえる構造となっていました。「X」のアルゴリズム変更の狙いは、「アクセス重視からエンゲージメント重視」へのシフトです。
現在の「X」のタイムラインは、それぞれのユーザーがフォローしているアカウントの投稿が表示される「フォロー中」と、ユーザーの興味や情報ニーズに応じた「おすすめ」の2種類を表示できるようになっています。利用者が多いのは左側にある「おすすめ」で、最新のアルゴリズムは、各アカウントの「いいね」「リポスト」「コメント」を解析し、興味・関心が高いと思われるテーマの投稿を優先して表示させています。
この変更によって、「フォロワー数が多い=アクセスが多い」という単純な図式ではなくなってきています。ターゲット層のアクセスを増やすためには、それぞれの投稿のテーマやキーワードを明確にしつつ、エンタメ性や共感性を高めて「いいね」やリポストを促す工夫が必要となります。
エンゲージメント重視への移行の背景にあるのは、SNSサービスの多様化とユーザーの不満でしょう。大量に流れてくる広告と「炎上」に嫌気がさしたユーザーから、「使いにくい」「ほしい情報が得られない」といった声が挙がるようになっていました。2022年にアカウントを凍結されたトランプ大統領(現在は凍結解除済み)の再選も、「X」の考え方や運用を批判するユーザーが他のサービスに引っ越すきっかけになったといわれています。
「X」への不満が高まったユーザーの受け皿になったといわれているのが、メタ社のInstagramのチームが開発した「Threads」、Twitterの元CEOがスタートさせた「Bluesky」、フランス発の「BeReal」といったサービスです。
「Threads」の特徴はInstagramとの連動で、テキストで伝えたいときのサブアカウントとして利用するユーザーも多いようです。「Bluesky」は「X」と同様に匿名性が高いテキストベースのプラットフォームで、「昔のTwitterがよかった」「今のXに納得できない」といった人がスムーズに移行しやすくなっています。
「BeReal」は名前の通り、「リアルな日常のやりとり」「安全・節度」をセールスポイントとしているサービスで、欧州、アメリカ、日本で4000万人の登録者がいると広報しています。広告の表示も使いやすさやUIに配慮しており、SNSに対するニーズや不満に対応しようとする姿勢が窺えます。
「SNSの最新事情2025」の【後編】では、「mixi2」のサービスと特徴、SNSマーケットの全体像についてレポートします。興味がある方は、ぜひご一読ください。