従来の4Gと比べて20倍という超高速化が話題となっていた5Gは、「超多数同時接続」「超低遅延」も同時に実現。2019年の終わりに、アメリカの主要通信企業が次々とサービスを開始し、2020年には日本にも導入されるといわれています。
5Gが当たり前になると、世の中がどう変わるのかをおさらいしておきましょう。
「超高速化」によって、4Kや8Kといった高解像度の動画配信が可能となり、従来のインターネットテレビや動画提供サービスのみならず、街中のモニターなどによる情報配信も急速に増えるものと思われます。
次世代サービスで、5Gの恩恵が大きいといわれているのは自動運転と在宅医療。自動運転車は、標識や障害物の認識が速くなり、医療においてはリモートによる診断の質が高まると期待されています。
「超多数同時接続」が可能になると、IoTのサービスが多様化します。インターネットを介したサービスによって利便性が高まるのは、家電やセンサー付きの機器ばかりではありません。
例えば、建設機器やメーカーの製造ライン。現場の状況把握や異変の検知、従業員に対するリアルタイムの音声ガイドなど、製品の向上やトラブル防止を実現するさまざまな機能が実用化するといわれているのです。
「超低遅延」がもたらすのは、事故があってはならないサービスの自動化やコスト削減、リアルタイムであることが重要なコンテンツの充実化です。
前者は自動運転や遠隔地医療、後者の代表はVRやARを活用したサービスでしょうか。野球やサッカー、ラグビーなどの試合が行われているスタジアムで、自分のシートとは違う角度からの動画を選んでハイライトシーンを愉しむこともできるようになります。
アメリカで先行して始まった5Gは、本来実現できるはずの通信速度に至っておらず、試験導入やプレサービスが繰り返されていた日本も、当初は限定的なサービス導入になるといわれています。
コアネットワークの5G化が進み、産業機器などで使えるようになるのは2021年以降。5Gがフル仕様となるのは2023年になってからで、自動運転の本格化やIoTの多様化までには数年かかる見通しです。
「5GによってユビキタスAI時代に突入」といわれても、ブームが終わったら死語になるのではないかと心配が先に立ちますが、「30秒かかっていたダウンロードが3秒に!」といわれると盛り上がります。
楽しみですね、5G。インフラの刷新、さまざまな領域におけるIoTの増加などで、システムエンジニアの人材不足がますます進むのではないでしょうか。この業界をめざす人にとっては、いい話です。