ビットコインなど仮想通貨の基幹技術としてもてはやされたブロックチェーン。2015年から急速に注目度が高まったこの技術は、「金融業界のみならず、さまざまなビジネスの領域で活用される」と期待が膨らみすぎて、当時の予想よりも拡大スピードが鈍化していました。
2018年には、IT分野においてリサーチやコンサルティングを手掛ける「ガートナージャパン」が、幻滅期に入ったとレポート。「今後は、さほど広がらないのでは?」といった疑問の声が聞かれるようになっていました。
ところが、2019年2月に実施されたガートナージャパンの企業に対する意識調査によると、65%の企業がブロックチェーン技術に期待していると回答。
「インターネットと同様の大きなインパクトをもたらす」とみている企業が17.9%もあり、従来とは異なる領域でニーズが高まると考えられています。
「分散管理」「二重払いの防止」「改ざん防止」「安定的なシステム運用」などの特徴があり、強固なセキュリティシステムを構築できるブロックチェーンは、どんなサービスに応用されるのでしょうか。
金融業界では、銀行の事務・決済・送金業務や証券取引などの従来型のモデルに加えて、プリベイドカードやポイントカードの運用にも活用されるといわれています。
お金のやりとりが発生するサービスにおいては応用範囲が広く、友人紹介のようなアフィリエイトプログラム、クラウドファンディング、マーケットプレイスなどのセキュリティ強化や不正取引防止にも効果を発揮します。
マーケット規模や利用者の多さを考えれば、期待が高まるのは「IoT」「ゲーム」「サプライチェーン」「著作権保護」「投票システム」。
いずれも、「集中するデータの分散管理」「利用記録や証跡の管理」「データのインターセプトや改ざん防止」といったブロックチェーンの強みが活かされる領域です。
導入・運用の低コスト化が実現すれば、データの修正が頻繁に発生しないサービスのセキュリティ強化を推進すべく、ブロックチェーンが急速に広がっていくと考えられています。
現状の課題として、「ブロックにおける容量の制約」「スケーラビリティ(大規模取引)」「取引の即時性への対応」などが挙げられているブロックチェーン。
導入のハードルが早期に解消する領域と、活用が進まない領域に二極化するともいわれているなかで、どこまで速く広く浸透していくでしょうか。いずれにしても、ひと頃ささやかれていた幻滅期という捉え方は、見直される可能性が高そうです。
ソルクシーズは「ブロックチェーン推進協会」などに参加し、戦略的にその時に備えています。その取り組みについてはこちらをご覧ください。