DXで日本のビジネスをサポート|ソルクシーズ公認ブログ

ITトレンドレポート

ブロックチェーン活用で信頼性UP! 「オープンバッジ」で実現できること

ITトレンドレポート

「人生100年時代」と呼ばれる現代。急速に変化していく社会の動向に個人が対応していくためには、生涯にわたり学び続ける必要があります。

しかし求められる能力は多様化・複雑化しており、個人が自らのスキルを証明したり、企業が人材のスキルを見極めたりするのは簡単ではありません。「自分の強みを会社が正しく理解してくれない」と歯がゆい思いをしている方も、多いのではないでしょうか。

「オープンバッジ」はそんな問題を解決するために開発された、多種多様な「学びの経歴」を可視化する国際基準のスキル証明書です。

証明に用いられるのは、「IMSグローバルラーニングコンソーシアム」という団体が策定している国際標準規格に沿ったシステム。さまざまな団体がこのシステムを活用して、スキルの審査基準をクリアしたユーザーに対し、オープンバッジの作成・登録・授与を実施できるようになっています。

証明書はデジタルのため、従来の紙の証明書で必要だった郵送費・作業工数がかからず、迅速な発行処理が可能です。

保有者はさまざまな団体から授与されたオープンバッジを「ウォレット」と呼ばれる自分専用の保管場所で一括管理でき、紛失による再発行の手間が発生したり、更新ミスをしたりする心配がありません。

オープンバッジの実現のために活用されているのが、もともとはfintech分野のイメージが強いブロックチェーンの技術。偽造・改ざんを完全に抑止できるため、信頼性を担保しやすく、オンライン上でも簡単に有効性を検証できます。

保有者がウォレットの中身を公開するだけで習得スキルを共有できるのも、オープンバッジが持つ魅力のひとつです。

個々のオープンバッジについても、SNS・メール・電子履歴書に画像を貼り付けるだけで共有可能。相手側は共有されたバッジから発行団体などのさまざまな資格情報を、閲覧・検証できる仕組みになっています。

これによって、企業は業務に役立つ可能性のある個人の知識・スキルを網羅的に把握したうえで、最適な人材の採用・配置・評価が行えるでしょう。外部に向けて自社の人材をアピールしやすくなり、取引先からの信頼の獲得や優秀な人材の獲得にも効果的です。

もちろん保有者も、就職・転職活動や独立後の事業PRなど、幅広い場面でスキルレベルをアピールできるようになります。

オープンバッジには技術規格が設けられており、世界中のプラットフォーム間で相互性があるのも特徴です。資格情報にはスキル名・発行者・授与日・受領者・有効期限などのフォーマットが統一されているため、内容の把握にも時間がかかりません。

加えて学習の経歴を可視化することは、学習者のモチベーション向上という観点からも期待されています。IBMの調査でも、バッジを獲得した従業員の87%がより積極的にオンライン学習に取り組むようになったという結果が出ています。

このようなメリットから、今後はさまざまな団体・企業がオープンバッジを導入していく見通しです。実際に数学や通訳などの検定、大学の教育プログラムなど、既にオープンバッジが発行されているケースも増えています。

オープンバッジが普及していけば、スキル習得が市場価値に与える影響力はますます高まっていくはずです。この記事を読んで「公開できるようなスキルってあったっけ…」と焦った人は、今のうちからスキル習得のために動き出すのが吉かもしれません。

タイトルとURLをコピーしました