システムエンジニアがアツく語るシリーズ、第1回の「私のこだわり」に続いて、土壇場巻き返しストーリーをお届けいたします。
システムエンジニアの仕事における、ありがちなピンチといえば、何を思い浮かべるでしょうか。「コスト算出が甘くて予算オーバーしそう」「納期ぎりぎり」「システムカットオーバー時にバグやトラブルが発覚」「プロジェクトメンバーが急病で、代打が必要!?」…。
なるほど、お金、時間、バグ、人がピンチ四天王なのかもしれません。さっそく、窮地に追い込まれたシステムエンジニアの巻き返し話を聞いてみましょう。
「スケジュールがタイトだったこともあって、使われる可能性が低い処理部分のテストに十分に時間をかけられなくて…。完成直前にまさかのエラー発覚。他の工程に問題がなかったこともあり、応援を受けて力技で何とか本番に間に合わせました。テスト、大事です」
「顧客からの期待感が高すぎたのか、開発作業の途中で要求が増え、あちこちで辻褄が合わなくなってプロジェクトがぐちゃぐちゃになりかけてしまいました。
これ以上引っ張ったら、納期もクオリティも守れないというタイミングで勇気を出して“何をやったらどのくらいかかるか”をまとめ、交渉したことで影響を最小限にできたのがよかったと思います。
当初のスケジュールより10日ほど遅れましたが、最低限満足いただけるような仕上がりにもっていくことができ、ありがたいことに、その後の追加開発の仕事もいただきました」
システムエンジニアの仕事で重要なのは、設計に無理や曖昧さがないことと、顧客やチーム内でのコミュニケーションが取れていること。
巻き返しに成功したプロジェクトは、「問題が起こったときに原因と対処法にスムーズにたどり着けている」「顧客と建設的な会話ができ、巻き返しプランに対する納得が得られた」ケースが多いようです。
株式会社ソルクシーズのシステムエンジニアにも話を聞いてみました。あるお客様の大規模なプロジェクトで、高い要求を厳しい納期で進めていたために、カットオーバー後にいくつかの障害が発生したとのこと。
「何しろ大きなプロジェクトだったので、小さなバグがあることは覚悟していました。巻き返しという意味では、カットオーバー直後に改修作業をしていて、お客様の信頼を得られたことが大きいと思います。
チーム内でも、お客様に対してもコミュニケーションが足りなかった、という反省があったので、改修作業では絶対に失敗できないという思いで密に報告や相談をしていたのがよかったですね。お客様の担当者が熱意のある方で、同じ方向を向いて一緒にリカバーできたという手ごたえもありました」
土壇場で巻き返しができるのは、「コミュニケーションが良好」「無理のない設計」「自発的に動くメンバーが揃っている」など、いくつかの要素を満たしている場合に限るようです。
いろいろな事例を収集し、話を聞くうちに、システムエンジニアの仕事はコミュニケーションが最も重要なのだとあらためて実感しました。もちろん、土壇場で巻き返すためではなく、「土壇場」も「巻き返し」もなくプロジェクトを成功させるために!