「ワークシフト」という言葉のネット上での人気(Google検索数)は、同名の書籍(※1)が出版された2012年をピークに下がってきていますが、最近また雑誌(※2)やセミナーで「ワークシフト」「働き方」という言葉を目にするようになりました。
働き方の変化は、クリエイティブ層など「アーリーアダプター」(※3)を中心に起きており、時間差を経て一般にも広がってくる可能性があると考えています。
この特集では、身近にいる「少数派として働く人々」へのヒアリング結果をもとに「新しい働き方」について考えます。
※1:「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図」(リンダ・グラットン)
※2:Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー)別冊 2015年5月号表紙「10年後の世界で通用する働き方・学び方」など
※3:流行に敏感で、積極的に情報収集を行い、判断する人。
「新しい働き方」に関するインタビュー特集、第1回目は「非正規社員」の例としてアルバイト従業員(Aiさん(30代女性)にお話をうかがいました。
●Aiさんの基本情報
大学卒業後、自動車業界の会社に入社。その後、1年半の海外語学留学等のブランクを挟み、3社に勤務してCAE解析、システム管理者、秘書業務などのスキルを積む。
結婚を機に専業主婦となる。結婚して3年。ご主人、ワンちゃんと3人(?2人と一匹)ぐらし。
ソルクシーズでは、2015年春から約3カ月半、アルバイトにて会社ブログサイトの編集サポート業務に従事。家庭の事情(ご主人の転勤)により退職。
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■ 非正規社員という働き方■
【メリット1】特定のスキルで働く
アシスタント、家事との両立、IT(コラボレーションツール)の活用、徐々にスキルアップ
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-アルバイトという働き方を選んだのはなぜですか?
不妊治療をする時間が欲しかった事と、家事との両立をするために選びました。
-実際、アルバイトをしてみてどうでしたか?
とっても充実していました。編集長はその人その人のスキルに合わせてニーズを出されているようでしたが、そのニーズと自分が持っているスキルとの戦いの毎日でした(笑)。
これまで経験がなかった「文章の添削」や「メディアの仕事をやるための知識」、「イラストを描く経験値」など“ある“とは言えど、まだスキルが十分ではなかったので、もどかしい思いをすることもありました。「編集長の期待に応えたい!」という気持ちが強かったんだと思います。
-コラボレーションツール(チャットワーク※)の利用について、とまどいや抵抗はありましたか?
※業務の効率化を目的としたビジネスチャットツール
全くありません。利用するのは初めてでしたが、使ってみると思っていたより使いやすかったです。
-どんなことがアルバイトを続けるモチベーションになりましたか?
「裁量範囲の広さ」といっていいんでしょうか。。。タスクをひとつ終えると、その上にスキルアップができるように、別の仕事を頂けることでマンネリもしませんでしたし、編集長と常に相談しながら良いものを作ろう、という気持ちで仕事できたのが私にはよかったです。
-(ソルクシーズで仕事をして)スキルアップを感じましたか?どんなスキルが伸びましたか?
イラストレータやフォトショップに似たソフトを使ってイラストを描くことや、写真の加工を勉強させて頂いたり、英語を使って海外のスタッフとやりとりさせて頂いたりしたことで、しばらく使っていなかったスキルをブラッシュアップできました。
-今後、どんなスキルを伸ばしたいと思いますか?
(ソルクシーズを退社後)今、イラストレータやフォトショプを使って雑誌編集の作業サポートをしています。ずっと独学で仕事をしてきたので、ツールの正規の使い方を必死に覚えています。きちんと教えてもらうとさらに奥深いですね。
ソルクシーズにいたときは優しい方ばかりだったのですが、職場が変わると厳しい方もいると思うので人間関係のコミュニケーションスキルも模索中です。
-会社員として働いていたときと一番の違いはなんでしょうか?
時間に融通が利くというところです。気を遣いすぎなくて良いところも違うところだと思います。
会社員の頃は、「部」というコミュニティの中で多くの人と仕事をしますし、その中での自分の位置づけなどに気を遣ったり、正社員なので長く勤務するために人間関係にすごく気を遣っていたような気がします。
仕事に一生懸命なのはどちらも同じスタンスなのですが、アルバイトは雇い主から「要らない」と思われれば簡単に切られるし、自分も無理だと思えば正社員よりも安易に辞めることができる割り切った関係だと思っていたので、気が楽でした。
ただ、ソルクシーズでのアルバイトの位置づけは少し他のバイト先と違い、従業者の権利が正社員と同様に守られているように思えたので、辞めることは本当に言い出しにくかったです。自分も辞めたくない気持ちでいっぱいでした。
-今後はどんな働き方・仕事をしていきたいですか?
主人が転勤族でもありますし、不妊治療も継続中なのでアルバイトですが、フルタイム勤務をすることで体力をつけたいと思っています。アルバイトでも責任はありますが、気楽に毎日過ごせるようにしていきたいと思っています。元々気にしぃな性格なので。