さようなら平成、こんにちは令和のメモリアル企画「IT環境の変遷30年史」の前編では、自席でタバコ、徹夜で残業、パンチカードといった歴史的事実について紹介しました。
後編の最初のテーマは、「システムエンジニアのイメージ」。60代のエンジニアに聞くと、「頭脳労働のイメージ」「何するの?とよくいわれた」とのこと。同世代は、SEといわれてもイメージできない人が多かったということでしょうか。
昔は「オタク」といわれる一方で、「プログラミングができるなんて頭いい!」とむやみに持ち上げられるなど、ポジティブ・ネガティブが両極端だった印象があります。
「夜遅くまで働いている人」(40代女性)というイメージも一般的でした。「IT業界じゃなくて“コンピュータ関連の仕事”と呼ばれていた」(40代男性)…いわれてみれば、そうでした。パソコンのある職場がまだ少なかった時代ですね。
学校でプログラミングの授業を受けるようになった今は、システムエンジニアは中高生の人気職種です。「時代の最先端」「若い人たちが活躍している」「成果主義。年功序列ではない」と、カッコいい仕事というイメージがアタリマエになりました。変われば変わるものです。
さて、次のテーマは、「ダイバーシティ」。これについては、世代を問わず「外国人が増えた」「女性はまだまだ少ない」という声が返ってきました。
「インド、韓国、中国、ベトナム、ミャンマーなど、さまざまな国籍の方と仕事する機会が増えましたが、日本語で会話するのが基本です。韓国人と中国人のメンバーが雑談しているのを聞いていると、最初は日本語だったのに途中から英語に変わり、国際社会を実感しました」(50代女性)
女性の活躍については、単純な男女比では男性のほうが多いのですが、長くこの業界を見続けている60代の女性エンジニアからは、こんな声もありました。
「女性も徐々に増えてきており、子育てしながら働く女性が目立つようになりました。以前と比べれば、子供がいても仕事を続けていける環境になったと思います。共働きでないと生活しづらかったり、女性の意識が変化したという面もあるでしょう」
10代のうちに、プログラミングに触れる機会がある世代は、女性のシステムエンジニア比率が格段に上がるのではないでしょうか。最後に、「30年を経ても変わらないこと」について、SEのみなさんの声を紹介しましょう。
「相変わらず、スーツ着用のエンジニアが多い気がする」
「会議が長い(笑)」
「プロジェクトを成功させるには、コミュニケーション能力は必要不可欠」
「技術は大好きだけど、人と話すのは苦手なエンジニアはやっぱりいる」
なるほど。さらにこんな声もあったのですが、うなずく人が多いのではないでしょうか。
「IT系のことなら何でも知っていると誤解される。以前はせいぜいPCと通信機器について聞かれるぐらいだったけど、今はおススメのスマホとかIT家電とかを聞かれて…」
これを目にした多くのエンジニアが、同じことをつぶやいたのではないかと思います。「Google先生に聞けばいいのに…」。検索エンジンも、ずいぶん便利になりましたよね。