最先端の技術を武器に活躍するITエンジニアの仕事やニーズを紹介するこのシリーズ、VRエンジニアに続く第2回は「AIエンジニア」です。
「IDC Japan」の市場予測によると、2017年に約275億円だったAI関連の市場規模は、2022年には約2,948億円に拡大。年間成長率は60.7%で、AIを利用したサービスやシステムが急速に増加するとレポートしています。
AIを活用したシステムが増えていくなかで、設計・開発・運用スキルがあるエンジニアの需要も拡大しています。
経済産業省が発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、2020年にAIを含む先端IT人材が4万8,000人不足するとしており、AIを活用したシステムを開発できる人材は引く手あまたのようです。
さて、そもそもAIエンジニアとは、何ができる人なのでしょうか。
一般的なイメージは、「技術を駆使してAIシステムを開発する」といったところではないでしょうか。ところが、実際に不足しているといわれているのは、開発者ばかりではありません。
サービスの目的や課題を踏まえてプランニングをするエンジニアや、実装後にAIシステムを運用するデータサイエンティスト、あるいは運用をサポートする人材も足りないといわれています。
上流工程に関わるAIエンジニアに求められるのは、システム開発関連の知識・技術だけではありません。サービスに関連するデータを分析する力、AIが得意なことと苦手なことを熟知し、効果が高いシステムを設計する力などが必要です。
従来のシステムと大きく違うのは、AIが導入されたシステムは常に同じ動作をするわけではないということです。追加データの挿入によって学習が進み、AIの対応の精度が上がることを想定しながら、ロジック設計やデータ入力システムの構築を進めなければなりません。
AIシステムの運用を担うデータサイエンティストは、システムやプログラミング関連の技術・ノウハウに加えて、ビッグデータ分析のスキルや確率・統計の知識、運用チームをマネジメントする力も必要とされます。
プランナーもデータサイエンティストも、従来のシステムエンジニアにはない幅広い知識・スキルが求められるため、文系・未経験からめざすなら相応の時間がかかるものと思われます。
仕事の中身と必要な知識・技術を紹介すると、いかにもハードルが高そうですが、AIエンジニアのニーズが増えていくのは間違いありません。
新しいサービスを世に送り出したい人、より使いやすいサービスやシステムを形にしたい人、ビジネスの成長に関わりたい人にとっては魅力的な仕事です。興味がある人は、さっそく「AIとは何か」から学んでみてはいかがでしょうか。