近年、転職市場で社内SEが人気です。中小企業のシステムエンジニアにとっては、大手企業で働けることが魅力的だったりするのかもしれません。「文系からでもエンジニアとしての第一歩を踏み出せる」という方もいます。
しかし一方で、問い合わせ窓口など、社内システムに関することならすべてに対応しなければならないので、知識や技術を深く掘り下げる時間が作れないのでは、、、と敬遠する声もあります。
一般的なシステムエンジニアと社内SEはどこが違うのか、メリットとデメリットについて整理しましょう。
文系出身でシステムエンジニアを志望する社員のITスキルが十分でないうちは、社内のシステム運用部門に配属され修行を積む、というケースも結構あります。社内のヘルプデスクから始め、徐々に仕事を覚えて開発担当になったという文系出身エンジニアは多いでしょう。
社内SEのメリットは、未経験者がSEとしてのキャリアをスタートしやすいというばかりではありません。現場で働いている社内SEの声に耳を傾けてみました。
「自社の社員が顧客なので本音を引き出しやすく、自分が手がけた仕事の成果が見えるもがいいですね」
「すべての社内システムに関わることができ、特定のプロジェクトの担当になるより業務の幅が広いのが性に合っています」
「システム部門が本社にしかないので、社内SEでいる限りは地方への転勤がないんですよね」
「社内システムは会社や事業を支える根幹なので、経営者に近い視点を持って仕事ができる醍醐味があります」
会社の規模や組織構成にもよりますが、業務が多岐にわたり、仕事の成果や顧客の反応が把握しやすく、同じ環境で長く仕事ができることが多いのは共通項のようです。
では、社内SEのデメリットは何でしょうか。ヘルプデスクやシステムの管理・運用担当となると、社員からの問い合わせ対応や、新しいシステムに関する社内研修を取り仕切るなどの仕事をすることもあり、システムエンジニアとして技術を磨く機会が限られてしまうケースがあります。そうすると…。
「同期の社員が最先端のIT技術分野でソフトウェア開発をしているのを見ると、ちょっとあせります」
「社内の特殊なシステムを担当していた期間が長かったので、もし転職するなら、と考えたとき、アピールできることは何かな?自分の市場価値はどうなのかな?って悩むことがあります」
システムエンジニアとして長く仕事を続けようと考えると、業務の幅広さが仇になり、IT技術で勝負しにくい人材となってしまうケースもあるようです。
あくまでも一般的な傾向ですが、将来、どんなSEになりたいのか、キャリアプランを考えるときに、よければ参考にしてみてください。