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ITトレンドレポート

今さら聞けない!サーバーのトレンドと最新トピックス【後編】

ITトレンドレポート

オンラインでサービスの展開や業務環境の構築をするために欠かせないサーバーの知識。今回は【前編】【後編】の2回にわたり、サーバーのトレンドや最新トピックスを紹介しています。

前編】ではサーバーの用途・設置環境などを踏まえて、近年増えてきたサービスについて解説しました。【後編】でも引き続き、最新トピックスについて深掘りをしていきます。

まずは、オンプレミス向けのPCサーバー。昨今は市場規模が縮小傾向にあり、2023年の出荷台数は354,846台で、4年連続の減少となっています。

一方で、高い処理能力が要求されるAIの構築に必要とされる高性能なサーバーなどは増加傾向にあります。台湾のTrendForce社では、2023年のAIサーバーの出荷台数が前年比38.4%と大幅に成長すると予測しています。

さまざまなビジネスの主戦場がオンラインに移行したことで、各種データをWebサイトやブログに表示する「Webサーバー」の市場規模も急速に拡大しました。

DX推進の重要性が認知されたことや、5G・IoT・クラウドコンピューティングといった最新技術の普及、新型コロナウイルス感染症の影響もこの動向に拍車をかけています。2022年に約949億1000万ドルに達した市場規模は、2031年まで年平均7.8%以上の成長率を維持すると予測されています。

Webサーバーの領域のなかで、特に注目度が高いのは、クラウドベースのサービスや、Webサイトによるビジネスの推進・運営を行うためのオンラインプラットフォームです。

サービスの進化によってマーケティングに利用される各種ツールの利便性も大きく向上。新たにオウンドメディアを展開する企業が増加しています。

ただし企業の機密情報や個人情報が保存されるサーバーのクラウド化には、セキュリティ面の懸念があります。そのため、どのクラウドプロバイダーもセキュリティ強化を進めています。

残念ながら、システムやサーバーの進化とともにサイバー攻撃も強力になっています。クラウドの普及に伴い、ひとたび被害に遭うと損害が甚大になる状況を受けて、世界的にセキュリティ・コンプライアンスへの意識が高まっています。

もちろんこれはプロバイダーに限った話ではありません。企業がクラウドサーバーを導入する際にも、セキュリティ性能の改善・向上や、ハイブリッドクラウドを採用するなどの対策は必須です。万が一にも情報漏洩が発生してしまうと、損害賠償が必要になるだけでなく、社会的な信用の失墜にもつながります。

最後に、Webサーバーソフトウェアを紹介します。現在高いシェアを獲得しているWebサーバーソフトウェアは、「Nginx(エンジンエックス)」「Apache(アパッチ)」「LiteSpeed(ライトスピード)」の3つです。

2022年8月時点で33.8%とトップのシェアを誇る「Nginx」は、オープンソースのため誰もが無料で利用でき、改修・機能追加の自由度も高いソフトウェアです。大量のユーザーが同時接続してもレスポンスが低下しにくく、処理性能の高さも特徴といえるでしょう。

Apache」も31.3%とシェアが大きいWebサーバーソフトウェアです。20年以上の実績があり、連続稼働・セキュリティといった面での安定性・信頼性に優れています。加えて、機能の拡張性の高さも強みのひとつです。

シェア率12.3%の「LiteSpeed」の特徴は「超高速」です。Webサイトの表示速度はNginxの最大12倍、Apacheの最大84倍という調査結果もあり、Apacheとの互換性が高いため、LiteSpeedに移行する日本企業も増えています。

ただし、人気のソフトウェアが必ずしも自社に適しているとは限りません。サーバー環境を構築する際には、重視したい要素と優先順位を明確にしたうえで、幅広い選択肢から絞り込んでいく必要があります。

急速な技術の進展により、日進月歩で変化していくサーバー業界。生産性向上やリスク回避のためにも、ぜひ最新情報にアンテナを張り、最適な環境構築をめざしましょう。

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