現場のシステムエンジニアから、プロジェクトチームを束ねるリーダーへ。ソルクシーズに入社して7年めとなるクレジット第一SI部のSさんは、2年前にキャリアの転換期を迎えました。与えられたタスクをこなすだけでは、お客様の信頼は得られないと気づき、自ら考えて行動するようになり、その姿勢が技術力とマネジメント力の両方を高めたようです。
Sさんがソルクシーズに入社しようと思った決め手は、面接で感じた社風のよさと、事業の多様性だったそうです。学生時代にシステム開発について学び、IT業界に絞って就職活動を続けていくなかで、長く安心して働ける環境を重視していました。
「面接で、しっかり話を聞いてもらえたのが好印象でした。上場企業でグループ会社が多く、顧客常駐のシステム開発だけでなく幅広い領域に関われるチャンスがあることに惹かれました」
新入社員研修を経て配属されたクレジット第一SI部で、初めて担当した仕事は、クレジットの業務システムの画面改修。その後、銀行のスマホアプリのバックエンド開発を担うプロジェクトにアサインされました。
「1年目に担当したコア機能の改修業務は、大変でしたね。さまざまな技術や知識を習得できる環境だったのですが、スケジュールに追われていました。全体像がつかめておらず、その場の判断で仕事を進めていたことも多く、今でもその頃のことを教訓にしています」
当時のSさんは、システムの根幹を担うバックエンド開発が主な役割で、ひたすら実装業務に注力する日々。顧客との直接のやり取りが重要となる上流工程は、経験豊富な先輩社員や上司が進めてくれており、技術的な基礎固めに専念できる環境でした。

そこで日々研鑽を積んでいたSさんに大きな転機が訪れたのは、2年前。国内送金システムのプロジェクトから、より複雑で国際的な枠組みが関わる海外送金システムに担当が変わったのです。
プロジェクトの変更に伴い、自身の役割も一変しました。現場の開発者からチームリーダーとなり、業務のスコープが一気に拡大。要件定義、お客様との折衝、メンバーへのタスクの割り振りなど、最大20名のチームのマネジメントを担う立場になりました。
「プログラミングが主たるタスクだった頃と比べると、見えるスコープが広くなっているので、やりがいは今のほうが大きいと思います。システムの理解度が高いお客様なので、納得していただけるレポートを仕上げるのが大変ですね」
チームリーダーとして上流工程に携わるようになってから、お客様とのコミュニケーションの難しさを痛感したといいます。要件定義やリリースの最終判断といった重要な局面で、厳しい指摘に対して十分な回答ができず、苦戦したことも少なくないそうです。
「一緒に仕事をしていると手応えが感じられて、いいお客様だと思います。きちんと説明すると納得していただけるのですが、そのための準備が大変で、いい提案ができずに練り直して再チャレンジということもあります」
当初は敗北感を味わうことが多かったというSさん。それでもコミュニケーションを重ね、お客様の立場でシステムの全体像を深く理解しようと努めた結果、「気にするポイントがわかってきて、敗北はかなり減ってきた」そうです。
長期間稼働しているレガシーシステムの改修を進める際には、技術的な正しさだけでは納得を得られないという壁に直面しました。単に「古いから直す」と主張するのではなく、お客様にとっての具体的なメリットを提示する必要があります。
「この対応によって、将来的には工数削減が見込まれますとか、今後の展望も含めて説明しないと、納得していただけません。そういった組み立ては、やはり難しいですね」
この経験を通じてSさんは、「割り振られたスケジュールに間に合わせる」という開発者のマインドから、「お客さんのニーズを汲み取る」というビジネス視点にシフトしました。「相手にとってどんな価値があるのか」を常に意識しながら仕事を進められるようになったことが、成長につながったようです。
技術面でも、この2年で進化を遂げています。以前はJavaアプリケーションがメインだったのですが、新しいシステムをゼロから構築する機会を得て、AWS環境などインフラの領域にも踏み込んでいます。
自発的に新しい技術を取り込む姿勢は、現場全体の生産性向上にもつながっています。コーディング補助ツールに加えて、生成AIツールも積極的に導入することで、オンライン会議の英語の文字起こしやメール対応がスムーズになったとのこと。役割の変化、自発的な取り組みによる改善、結婚、フルリモート勤務が重なった2年で、「何もかもが変わった」そうです。
技術者として、そしてリーダーとして進化を遂げたSさんが見据えるのは、マネジメントと技術力の両軸を持つプレイングマネージャーという未来像です。
「今のプロジェクトでマネジメントの経験を積ませてもらったのですが、技術も好きなので、両方で活躍するチャンスがあるのではないかと思っています」
現在の目標は、業務で活用しているAWSに加え、Google CloudやAzureといった他のクラウドプラットフォームの知識を深めること。未経験のRubyやPython、これまで経験してこなかったフロントエンド開発のスキルアップにも意欲的です。
「クレジットの事業部に身を置きながら、クレジット関連の業務経験がないので、将来的にはクレジットのプロジェクトに携わりたいですね。現在のプロジェクトで長年の課題となっているレガシーシステムを、新しいものにしたいという思いもあります」
やりたいことが広がるなかで、新婚生活のワークライフバランスの調整という新たな課題にも直面しているようですが、Sさんの成長ストーリーは公私ともども順調に前に進んでいくのではないでしょうか。
「現場に配属されたときは、上司や先輩は凄い方々だなと漠然と思っていたのですが、今の役割で働くようになってから実感に変わりました。2年前より明確な目標が増えており、非常にいい状態で仕事と向き合えていると感じています」
技術者からリーダーへと成長し、お客様の立場に立って価値を提供する姿勢を身につけたSさんの歩みは、多くの若手エンジニアにとって貴重な指針となるでしょう。今後もプレイングマネージャーとしての更なる活躍が期待されます。



