ソルクシーズでは、3年にわたり社内各システムのサーバーをAWS(Amazon Web Service)に移行する作業を進めてきた。そこで今年はAWS化の評価についてチラシの裏のごとく書き散らかしている。
これまで、コーポレート用のWebサーバー、メールサーバー、VPNサーバーを評価してきた。今回は番外編2(テレワーク)である。
夏も終わりを告げ、日によっては涼やかな風が吹く季節となった。
思えば今年の夏も暑かった・・・。
都市型サラリーマンの中には、家で仕事をさせてくれ! と言いたい気持ちを抑えながら、通勤ラッシュの暑気と臭気に耐えて通勤している私のような方も多いだろう。
しかしそれを言ったところで、冗談は顔と腹だけにしろとなじられるのが関の山である。
ところが、そんな夢物語が現実のものとなるかも知れない時代が迫っている。
2013年に日本政府が閣議決定した「世界最先端IT国家創造宣言」の中に、
「2020年までに週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を10%以上」
という内容が含まれている。
「テレワーカー(テレワーク)」とは、
情報通信技術を活用して場所や時間にとらわれずに働く人(働き方)を指す。
つまり、PCやインターネット、携帯端末などを使って、自宅や郊外のサテライトオフィスで働くような勤務形態である。
テレワークを導入するメリットには、
・オフィス内人員の削減による節電効果
・災害時等における事業復旧の早期化
・通勤が困難な高齢者・障がい者・出産育児中の女性などの就業助長
などが挙げられている。
もちろん満員電車に揺られる回数も減るし、そもそも満員ではなくなるかも知れない。
さて、自宅等で仕事をする環境を提供することは、一昔前と比較すればもはや難しくない。
以前触れたようにVPNという仕組みを導入するだけである。
会話についても、SkypeなどのIP通話ソフトウェアを導入すれば良い。
しかしながら、例えば自宅PCを業務端末として使用する場合、情報セキュリティ面で以下のようなリスクが発生する。
・PCを共有している家族が間違えて業務情報にアクセスしないだろうか?
・アンチウィルスやファイアウォールなど、会社PCと同レベルのセキュリティ対策が
されているだろうか?
・自宅のプリンタで印刷された業務情報は、持ち出されることはないだろうか?
・シュレッダーは無いだろうから手でビリビリに破いて捨てられるんだろうか?
もちろんこれらのリスクはテレワークに限らず、自宅からVPNで会社の情報にアクセスして仕事をする場合にも当てはまる。
しかし利用頻度と共にリスクも高まるため、VPN利用者に対してはルールとして守らせて来た内容であっても、本格的にテレワークを導入する際には改めて確認し、可能であればシステム的に制限すべきである。
実は当社でも在宅勤務を想定し、AWSのWorkSpacesによる仮想デスクトップをテレワーク環境として試験的に活用し始めたところである。
この説明図を作成するにあたって「AWS シンプルアイコン」※を利用しています。
※AWS 製品およびリソースのアイコンを含む公式アイコンセット
このAWS上の仮想デスクトップ環境は本人専用のWindows環境であり、インターネット接続できる環境さえあればどこからでもアクセスできる。
ログイン認証は社内のActiveDirectoryが利用可能であるため、社内PCでログインする際と同じID/パスワードでログインできる。アンチウィルスやWindowsUpdateなども予め適用した状態で提供できるし、ファイアウォールはAWSのセキュリティグループが適用される。
業務情報はあらかじめ当社クラウドサービスFleekdriveのような外部ストレージサービスに保存しておくことで、仮想デスクトップ環境から利用できる。
印刷制限やPC間におけるコピー制限も、ActiveDirectoryの機能で実現されている。
。。。と、ここまでは至って普通の仮想デスクトップ環境の説明だが、今回紹介したいのはAWS WorkSpaces(Amazonの仮想デスクトップ環境)導入の手軽さである。
「試してみたい」と上司より命を受け、一から調べて上記の設定を行い、使える状態にするまで他業務並行でたったの3日であった。ちなみに通常、仮想デスクトップ基盤を自前で構築した場合、数ヶ月はかかるらしい。
また面倒な手続きは不要、作成したWorkSpaces分の費用がAWSアカウントに課金される。
AWSの手軽な仮想デスクトップ環境、一つ試してみてはいかがだろうか。通勤ラッシュ対策に(  ̄o ̄)y-~~oO (違うか)。