【情シス野郎 チラシの裏】は、「情報処理安全確保支援士」資格を持つ情シス担当が、仕事を通して得た知識や技術を、技術面に詳しくない人でも読みやすいよう「チラシの裏」に書くかのごとく書き散らす!というシリーズです。
今回は、DAISUKEが所属する情シス部門で「テレワークやってみた」レポートです。
働き方改革の旗印では今一つ浸透が進まなかったテレワークが進み始めている。新型コロナウイルス(以下、コロナ)による外出自粛や現実味を帯びつつある都市封鎖がその原動力だ。
都知事の緊急記者会見後、当社グループ内でも相談や問い合わせが急激に増えているが、実は我々情報システム部門では先立って3月頭よりテレワークを実施している。
至急の問い合わせや機器トラブル等に対応するため、さすがにいきなり全員というわけにはいかず、現時点では全員ではなくローテーション方式となっている。
そこで今回は余計な前置き無しで「テレワークやってみた」感想を書かせて頂く。
なお前提として、我々は情報システム部門のため、原則としてコミュニケーション対象は部門メンバーと問い合わせを寄せる社員、および社内外の会議メンバーである。
会議
部門内の会議はSkypeを利用して参加する半Web会議方式とした。
全部員出席の会議などは半数がSkype参加となり、最初は少し違和感もあったが、もともと資料はクラウド上で共有していたこともあり、すぐに慣れて特に不都合も感じなかった。
部門をまたぐ会議については原則出社としているが、Skypeでも大きな問題は出ないと思われる。
問題は、今後発生し得るであろう「全員が在宅環境」による会議の場合である。
参加者全員が在宅環境の場合、会議のセッティングに時間がかかったり、またいざ始まっても雰囲気をつかみづらいため、進行がスムーズでなくなったりすることが予想される。
セッティングルールや進行役などの役割は事前に決めておく必要がある。
メンバー間コミュニケーション
部内メンバー間のコミュニケーションは原則LINE WORKSのトークルームおよび個人間チャットを利用して行っている。
メンバーの感想を踏まえても、業務上のコミュニケーション(いわゆるホウレンソウ)についてはほとんど不便さは感じない。
ただ、簡単な相談がしにくいのと、どうしても雑談などは無くなってしまうため、仕事に会話なんて必要ない!という人以外は疎外感を感じる可能性が高い。
疎外感についてはモチベ維持の点で明確なデメリットであるため、
・単純にチャットの量を増やす
・内容にもよるが、なるべくチャットならではの口語体を使う
・不謹慎とならないレベルで絵文字を使う
などを意識するように全員にお願いしている。
可能なら毎日始業時と終業時に全員参加のリモート会議や、チャットで挨拶を義務付けるのも効果があると思うので、今後やっていくつもりだ。
個人の作業効率
個人の作業効率については感想がまちまちである。
出社メンバーや社員とのコミュニケーションを除外した単純な個人タスクの作業効率に限定した話だが、「一人なので集中出来るようになった」という声が多いが、「一人なので集中力が低下した」という感想を持った人もいる。
仕事の捉え方による差かな、と思う。
普段からやらされてる感覚、何となくやっている感覚、という人は周りの目がないことで集中力が続かないのかも知れない。
逆に目標や目的を明確に捉え、自分の責務として仕事を認識している人は、余計なことを考えずに集中出来るという感想を持つ傾向がありそうな気がする。
また多かったのは、「自分の部屋が無く、特に子供が家にいる場合には作業しづらい」という意見である。
首都圏在住の場合には子供の部屋はあるが親の部屋は寝室くらいしかないという家庭が多い。特に今は休校や外出自粛という背景があるため、こういった環境の場合にはなかなか捗らないということが考えられる。
部門の作業効率
部門全体の業務効率は開始1ヶ月目としてはいい意味で「あまり変わらない」という感じである。
簡単な相談がしにくいというコミュニケーション面のデメリットを、個人の作業効率アップで補っている感覚だ。
このあたりは取り組みを継続し、コミュニケーションの取り方を改善していくことで良くなるだろう。
ライフスタイル向上
他には、通勤時間が無くなることで時間を有効活用出来るようになったというのが、部員共通の感想である。
やはりこのメリットはとても大きい。
通勤で毎日往復2~3時間取られる時間を、家族と共有したり家事や趣味に充てたり出来るのは、豊かな人生を送るという面での貢献として計り知れない。
時間に余裕が生まれることで、現状では家事や育児に時間を取られがちな女性が働きやすくなり、結果として世帯収入が増えることで、婚姻率の低下や少子化も改善に向かうかも知れない。
今後に向けて
今はコロナ対策で必要に迫られた状況のため、積極的にテレワークは検討されている。
これは、これまで導入の壁となっていた、「ちゃんと仕事しているか分からない」「コミュニケーションがおろそかになりそう」というネガティブな意見を取っ払う一大好機である。
せっかく始めたテレワークの有効性を示し、コロナ終息後も継続出来るように仕組みを整備していきたいものである。
ピンチはチャンス。
コロんでもただでは起きないよう、明るくも気を緩めることなく頑張っていきたいと思う。