【情シス野郎 チラシの裏】は、「情報処理安全確保支援士」資格を持つ情シス担当が、仕事や自らの体験を通して得た知識や技術を、技術面に詳しくない人でも読みやすいよう「チラシの裏」に書くかのごとく書き散らす!というシリーズです。
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最近、ドラクエやFF、ロマサガといった名作RPGの「リメイク」をよく見かける。
どれも話題になり、売上も安定しているように思う。
アニメ界隈においては数年前に劇場公開して大ヒットした『THE FIRST SLAM DANK』が有名だが、他にも昭和勢には懐かしい『うる星やつら』や『ダイの大冒険』がアニメとして近年「リメイク」されている。また『キングダム』は実写版劇場映画として「リメイク」され既に4作品が公開されている。
リメイクとは異なるが、レガシー作品が「オマージュ」された例としては映画『シン・ゴジラ』がある。
さらに昨年11月にサービス開始された『DOWNTOWN+』では、「アーカイブ」された『ガキの使いやあらへんで』の過去トーク集が視聴数ランキング1位をひた走っており、おれのようなダウンタウン信者おじさんの心をぐっとつかんでいる。
「リメイク」、「オマージュ」、「アーカイブ」。
何れも古き良きものの形を変えて(アーカイブなど、時には変えずして)再提供することで、改めて価値を創出する仕組みである。

古き良きものの振り返りと言えば、『葬送のフリーレン』では「勇者たちと魔王を倒した過去の道程を振り返り、人との関わりを通して気付きを得る」というテーマで「回顧」と「成長」が描かれており、老若男女を問わず、マンガ・アニメとも幅広い層の共感を集めている。
ITの世界においても、オンプレ構築された既存システムをAWSなどのクラウド基盤に移行してUIだけを最新化するような、業務負荷やコスト、リスクを抑えながら、UX向上や業務効率化を図る案件は多い。
また、DXも業務のデジタル化という形のリメイクと言える。
ゲームやアニメのリメイクも同じで、すでに評価されている過去の名作を現代の技術でアップデートする方が成功しやすいのだろう。
これを後押ししているのが、ユーザー側の変化だ。
最近の娯楽は、金銭的に余裕のある30〜50代の社会人がメインターゲットになっているように思う。
この世代は新しいルールを一から覚えるより、「知っている世界」を短時間で楽しみたい。
年齢的に新しいことを覚えるのはしんどいし、新しいものにお金と時間を使うリスクよりも、おもしろい事が保証されている過去の名作を辿り、イニシャルコストは回避しつつ、コスパとタイパを上げたい。
そういえばこのゲーム、親父に買ってもらったんだよなあ、、、元気でやってるかなあ。
このゲームやっていた時、当時の彼女にフラれたんだよな、、、申し訳なかったなあ。
など、思い出にタイムスリップすることも一つの楽しみ方だと思うが、リメイクはただの懐古ブームではない。
「懐古」ではなく、「回顧」。
回顧は過去の自分を肯定する機会となり、当時は分からなかった意味や理由に気付く喜びがある。
すでに積み重ねてきたものにもう一度意味を与え、人口の中心となっている「新しいものを次々追いかける体力が衰えつつある層」に成長の喜びを与えることが「リメイク」ブームであるだろう。
リメイクのポイントは「変え過ぎないこと」だと思うが、評価の高いリメイク作品の共通点は、「良くなかった部分が改善されている」点である。
システムのリメイクにおいても、なぜここはこういう処理なんだ?効率悪くね?と思うことがある。
しかし、もっとこうした方が・・・と変えようとして設計書をたどってみると、意外な箇所で影響が発生することが分かり、断念するということも多い。過去の設計者も同じことを考えたんだろう。
「なるほど、そこはもう冒険済みでしたか・・・」
そこには勇者ヒンメルの銅像が立っているのである。


